「早くしなさい!」は誰のため? 自己肯定感が高い子どもの親の習慣
子どもは大人と同じペースで行動することができません。何をするにも時間がかかり、上手にできなかったり間違ったやり方で遠回りしたりすることもありますよね。そんなとき、イライラしてつい「早く早く!」と急かしていませんか?あるいは先回りして「こうやったら上手にできるよ」と、手出ししたり口出ししたりしていませんか?
今回は、子どもに対して「待つ」ことができなくなってしまった親御さんに向けて、「待つ」ことの大切さや、それにより子どもがどう変わっていくかについてお伝えしていきます。
「早くしなさい!」は子どものため?親のため?
グローバル化が進み、これからの時代はますます「自主性」や「自分で考える力」が求められます。これらの力を育むには、子どもの「やりたい」という気持ちを尊重することを心がけなければなりません。そうは言っても、なんでもかんでも好き勝手にやらせるわけにはいかず、ついあれこれ口出ししたり、先に手出ししたりしてしまいますよね。
モンテッソーリ教育を掲げる幼稚園「吉祥寺こどもの家」の園長である百枝義雄先生と奥さまの百枝知亜紀先生は、「親が “待つこと”」の重要性について次のように述べています。
「親がやるべきことは “待つ” ことと “共感”。
楽しんでなにかを成し遂げた子どもの『できた!』『やった!』という気持ちに寄り添って『できたね!』『やったね!』と言ってあげるだけで、子どもには大きな力になる」(義雄先生)
「悩んだり、迷ったり、考えたりすることも子どもの『やりたい』なのだから、親が『早くしなさい』なんて言わずに待てると、子ども自身が試行錯誤するうちに “考える力” が育つ」(知亜紀先生)
親が子どもを「待つ」ことで、子ども自身の能力が伸びるのですね。でも、忙しい毎日のなか、ゆっくり待ってあげることが難しいのも事実です。スーパー保育士としてメディアなどで活躍中の原坂一郎先生は、親が子どもを「待てない」のは、「待つと自分に不都合がやってくるから」と説いています。
常に効率化を考えながら行動する忙しい大人にとって、一分一秒とも無駄にはできません。原坂先生は、「時間が惜しいときに待つと、あとで大変なことがやってくると想像してしまうため、つい子どもに『早く』と言ってしまうのでは」と述べています。しかし、それは完全に親の都合でしかなく、子どものペースは考慮されていません。