国語辞典、30cm定規、鉛筆削り、九九の表……子どもの勉強道具はどこに置くのが正解か?
行動意欲がわいてくる&効率よく行動できる“物の位置”とは
ある行動に必要な物が近くにないと、その行動を起こす意欲はなかなかわかないものです。たとえば皆さんには、次のような経験(あるいは似たような経験)はないでしょうか。
- 読書を習慣にしようと思ったが、本をクローゼットの中にしまい込んでいたため取り出すのが億劫で、結果的に、読書を習慣にするどころか本を読む気さえなくしてしまった。
- 印刷室で会議のための書類を印刷しようとしたとき、書類の文字のミスに気づいたが、印刷室には修正ペンなどの文房具がなく、その場で修正できなかった。印刷室と自分の席が離れていて、修正するのも印刷するのも面倒くさくなってしまった。
このように、一度は「行動しよう」と思ったのに、必要な物がなかったせいで「あとでいいや」「あとで探そう」なんて思ってしまい、その結果行動意欲を失ってしまったという経験は、一度や二度ではないでしょう。
物の位置は、行動意欲だけでなく、作業の効率にも大きく関係します。私がそのことに気づけた経験を2つご紹介しましょう。
1つ目の経験は、私がビジネスホテルに泊まったときのことです。朝食をとろうと会場に行ったところ、食事中の人はさほどいなかったのに、座れる席はほとんどありませんでした。その理由は、多くの席に前の人が食べ終えた食器がそのまま置いてあったから。従業員の女性が1人せわしなく動き回ってはいましたが、なかなか全部の食器が片付きません。私はその様子を見ながら、ファーストフード店にあるような食器の返却口があれば効率よく片付けができるのに、と考えていました。
もう1つの経験は、出張先の福岡で路線バスに乗ったときのこと。
降りるときに押すボタンの位置が、東京の路線バスとは違うことに気がつきました。私が普段利用する東京のバスでは、ボタンを押そうとするとき、ほかのお客さんの前に腕を伸ばさないと押せない場合があります。自分の位置からちょっと離れた場所にしかボタンがないケースも多いのです。しかし、福岡で私が乗ったバスでは、一人ひとり専用のボタンがあるくらいたくさんのボタンが設置されていました。これがとても便利で、効率よくボタンが押せていいものだなと大変感心しました。
このように、必要な物が近くにあれば、すぐに行動できたり、行動がはかどったりします。つまり、効率よく行動できるということです。