成績至上主義の逆を行け。子どもを伸ばす3つの問いかけ、対話で得られる7つの力
国語・算数・理科・社会――各教科の学習と、アート教育、どちらが大切か。そう聞かれたら、あなたはなんと答えますか?
アート教育も大切だとは思いつつ、実際は教科の学習に重きを置いている。そんなご家庭も多いのではないでしょうか。
教科の勉強と芸術教育はまったくの別物だと考えられがちですが、じつはそうではありません。相違点もあれば、共通点もあります。さらに、互いに活用できる要素も多く存在するのです。たとえば、アート教育の手法から各教科の学びに生かせることはたくさんあります。
今回は、美術鑑賞教育法として生まれた「対話型鑑賞」を、算国理社4教科の学びに活かす方法をお教えします。
学校がお休みになり、いつもより時間に余裕のある春休み。家庭での親子の対話で、従来の学習では習得が難しい大切な力を磨いてみませんか。
成績至上主義では難しい、「対話」で得られる7つの力
人間の知の基本フレームは、小学生の時期に形成されます。子どもの思考や感性が形成されるこの大切な時期に、あらかじめ定められた解答を単に繰り返すだけの作業や、一問一答式のテスト結果などの目先の成果を優先してしまったら、どうなるでしょう。
子どもたちの、自ら学び創造する力、じっくりと考える力、多様な視点や解釈の可能性を受け入れ、自分とは異なる他者を受容して理解する力を削いでしまうのではないでしょうか。
それを避けるためには、対話による学びが有効です。対話型鑑賞をとおして得られる7つの力は、これからの時代に必要不可欠な能力ばかり。
どれも、生きる力につながる大切な能力です。
- 観察力
- 推論する力
- 表現力
- 再考する力
- 共感力
- コミュニケーション能力
- 主体的に学ぶ力
そして、この7つの力は、特別なことをしなくても、親子の対話をとおして身につけることができるのです。
「答えは?」「速く!」はNGワード。5つのコツと3つの問いかけ
教科の学びでは、一定の時間内にひとつの正しい答えを求める局面が増えてきます。したがって、いかに「速く」「正解」を導くことができるかが問われるようになります。そんななか、解答に至るまでの思考のプロセスは、なかなか評価してもらえません。これは、テストの成績至上主義の弊害だといえるでしょう。
そこで、家庭では、成績至上主義で見過ごされがちなことを、対話をつうじて積極的に補ってあげてください。
親子で対話をするときに気をつけてほしいポイントは、以下の5つです。