目的もなく東大に入っても意味はない。本当に輝けるのは、いい意味での「オタク」だ!
みなさんが子どもの頃とは、確実に時代は変わったのです。
そうして大きな変化が起きているいまは、個性の時代であると同時に大混乱の時代ともいえるでしょう。いまはトップ企業が短期間でガンガン入れ替わっています。いま、世界を引っ張っているGAFAも、10年後、20年後にはトップにはいないでしょう。そんな先行きが見えない時代になにが必要かというと、先の鯛の鯛が大好きな子どもではありませんが、時代がどう変わっても目を引くような個性的なスキルなのです。あるいは、時代の変化を敏感にくみ取って、「これからはこういうスキルが必要なんだ!」と自ら考えてチャレンジできる力でしょう。
そのためにも、子どもの「好き」を大切にしてあげてください。子ども自身が好きなことであれば、とことん追求して個性的なスキルを手にすることができる。
あるいは、好きなことに自らチャレンジする経験が多いほど、変わる時代に合わせて新たなチャレンジをしていくこともできるはずです。
『「幸福学」が明らかにした 幸せな人生を送る子どもの育て方』
前野隆司 著/ディスカヴァー・トゥエンティワン(2018)
■ 慶應義塾大学大学院教授・前野隆司先生 インタビュー記事一覧
第1回:“他人との比較”で得た幸せは長続きしない。「幸福学」で分かった、親子で幸せになる方法
第2回:目的もなく東大に入っても意味はない。本当に輝けるのは、いい意味での「オタク」だ!
第3回:「子どもは宝物だ」という思考が危うい訳。子を思うなら親は“自らの幸せ”を追求すべき(※近日公開)
第4回:子育てでイライラした時どうすれば?幸福学の権威が教える「幸せ体質な親」の目指し方(※近日公開)
【プロフィール】
前野隆司(まえの・たかし)
1962年1月19日生まれ、山口県出身。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(SDM)教授。1984年、東京工業大学工学部機械工学科卒業。1986年、東京工業大学理工学研究科機械工学専攻修士課程修了。同年、キヤノン株式会社に入社。
カリフォルニア大学バークレー校客員研究員、慶應義塾大学理工学部教授、ハーバード大学客員教授等を経て、2008年より現職。2017年より慶應義塾大学ウェルビーイングリサーチセンター長兼任。研究領域は、幸福学をはじめ、ヒューマンロボットインタラクション、認知心理学、脳科学、心の哲学、倫理学、地域活性化、イノベーション教育学、創造学と幅広い。