子どもの「負け」をどう褒める? 成長スピードの速い子の親がしている2つのこと
以前、運動会のかけっこで順位をつけず、最後はみんな手をつないで一緒にゴールした小学校が話題になったことがありました。有名なモンテッソーリ教育も、“競争させない” のがポリシーです。仲良し教育を是とする風潮に、「今の子どもたちは昔に比べて競争心がない」とも言われ、子どもに競争させることの良し悪しはいまだ賛否両論あります。
一方で、「負ける」ことに意義を認める日本の伝統競技があります。将棋です。「負けました」と敗者が自ら宣言し勝敗が決まるものは、勝負事としてほかにはないでしょう。期待の若き棋士藤井聡太7段(*)は、将棋を通して今も成長し続けています。その成長には、“負ける” という経験が大きく作用しているそうです。
勝敗を競うべきか否かには一長一短ありますが、今回は「負けることの意義」にフォーカス。そこから得られる学びについて詳しく検証してみましょう。
*…2020年4月現在
子どもの「負け」を成長につなげるために
負けると誰でも悔しいものです。その “負” の感情をどう自分の中で処理するかに成長の鍵が潜んでいます。負けを成長につなげるためのポイントは2つです。
■負けを認める
「自分の弱さを認めることで、どんな困難も乗り越えられる」とは、アメリカ国防総省現役官僚のカイゾン・コーテ氏の言葉。その心理ステップは次の通りです。
自分の弱さを受け入れると、本当の自分が見えてくる
本当の自分が見えてくると、自分を正しく機能させることができる
自分を正しく機能させることができると、最善の選択ができる
(引用元:STUDY HACKER|“負け”から成長できる人とできない人の決定的な差。
一流営業パーソンは失敗しても〇〇を言わない。)
つまり、負の感情を認めることで、自分の気持ちが一度リセットでき、ストレスのない状況で冷静な判断と落ち着いた行動ができます。負の感情をいつまでも引きずらずに前に進むための第一歩が、「負けを認める」ことなのです。
しかし、子どもにとって「負けを認める」のはなかなか難しい。そんなときは、親が共感してあげるとよいのだそう。モンテッソーリ教育を掲げる「吉祥寺こどもの家」の百枝義雄先生は、親が「悔しいね」と共感するだけで、子どもは負けてしまったにもかかわらず「自分の持っている感情は間違っていない」「自分の経験は間違っていない」と自信をつけると言っています。