音読の効果を劇的に上げる方法は、親が「即時フィードバック」することだった
青木先生によると、「言葉を目で追いながら耳からも入れることで、理解を深めることができる」そうです。
<音読の効果2:脳が活性化されて記憶力がアップする>
「脳トレ」で知られる東北加齢医学研究所の川島隆太教授によると、音読によって脳の前頭葉に含まれる「前頭前野」という場所が活性化されるそう。また、音読直後は脳がより働きやすくなり、記憶力が20~30%も増加することもわかっています。
<音読の効果3:コミュニケーション能力が鍛えられる>
脳の前頭前野はコミュニケーション能力にも関係しています。友だちや先生に話しかけるのが苦手な子は、音読によって前頭前野を活性化させることで、積極的に人とコミュニケーションがとれるようになるでしょう。
<音読の効果4:集中力が高まる>
また、前頭前野が活発に働いている脳内では、セロトニンという物質が多く分泌されます。セロトニンは精神を落ち着かせ、集中力を高める効果があるため、音読を続けている子は自然と気持ちのコントロールができるようになるのです。
<音読の効果5:黙読も速くなる>
教育評論家の親野智可等先生は、「音読がすらすらできるようになると、普段の黙読も速くなる」と述べています。
音読によって語彙や言い回しを覚えて使いこなせるようになるため、語彙力も向上し、「読む力」がしっかりと身につくのです。
もっと音読の効果を上げたい!
最後に、音読の効果をさらに上げる方法をいくつか紹介していきます。ぜひ参考にしてください。
川島教授は、子どもの音読を聞く際には「手を止める」「すかさずほめる」を徹底して心がけるべきだと述べています。家事をしていたらいったん手を止めて、子どもの音読に付き合いましょう。そして、読み終わったらすかさずほめてあげるのです。川島教授いわく、「これだけで子どもの脳は非常に活性化する」のだそう。
この「手を止める」「すかさずほめる」は、脳科学では “即時フィードバック” と呼ばれます。
子どもが何かをしたとき、間髪入れずにほめてあげることで、子どもの脳は爆発的に反応して物事に対する意欲が向上するのです。また、ほめるだけでなく、子どもの読み方に対する感想を述べるのもいいでしょう。
青木先生は、「音読ができたことをほめながら、『さっきのセリフをとっても大きな声で読んだのはどうして?』『小さな声で読んだのはどうして?』といったふうに問いかけてみる」