10億件の学習データから判明。算数の苦手は「位」「単位」「図形」の3つに分類できる!
ここがエビデンス・ベースドの強み。学習についての先入観を取り払ってくれるのです。
具体的なデータとして、以下のランキングを見てください。多くの子どもがつまずきやすい単元や問題例を調べてみたところ、次のような順位が得られたのです。
【子どもがつまずきやすい単元・範囲ランキング】
- ワースト12~3桁の位の理解:「位」
- ワースト2図形の組み立て・立体の基礎:「図形」
- ワースト3単位、メモリの読み方:「単位」
- ワースト4文章題
- ワースト5円と半径・直径の理解:「図形」
子どもがつまずきやすい単元・問題例のワースト5位のうち、ワースト4位の「文章題」を除けば、すべて先ほど書いた「位」「単位」「図形」に関係するのがおわかりいただけるはずです。
だんだんと、エビデンス・ベースドの考え方の特長が理解いただけているのではないでしょうか。詳しく知りたい方は、こどもまなび☆ラボのインタビュー記事をチェックしてみてくださいね。
「ワースト2:図形の組み立て・立体の基礎」と「ワースト5:円と半径・直径の理解」については、『10億件のデータを調べてわかった、小学生が「ずば抜けて苦手」な算数の単元と例題』で実際の問題を使って説明しています。
また「ワースト4:文章題」については『「算数の文章題が苦手」な子どもが、ひねった応用問題でも解けるようになる教育法』をご覧ください。拙著では、このワースト5位の範囲のそれぞれについて、かなり詳しく苦手の克服法を記載していますので、そちらもぜひ。
もし、お子さんが算数のどこかの範囲でつまずいていたら、この3つのどこかにその原因が求められるはずです。逆に、算数の復習をするときは、この3つの範囲を重点的に見直せば効率よく復習ができるとも言えますよね。エビデンス・ベースドの考え方を用いれば、効果的・効率的に学習が進められるのです。
次回も、エビデンス・ベースドに基づいた効果的な学習法について見ていきたいと思います。『10億件の学習データが教える 理系が得意な子の育て方』
今木智隆 著/文響社(2019)
■ 算数塾「RISU」代表・今木智隆先生 インタビュー記事一覧
第1回:子どもを「算数嫌い」にしない大原則。幼児期からできる“算数好きの基礎”の築き方
第2回:子どもが勉強で成果を出せないのは、親の「勘違い」が原因かもしれない
第3回:10億件のデータを調べてわかった、小学生が「ずば抜けて苦手」