「週1回60分」と「週3回20分」、成績が大きく伸びたのはどっち? 科学的に正しい学習習慣とは
前回の連載では、データが示す復習の重要性と、復習効果をアップさせる正しい方法についてお話ししました。今回も引き続き、自宅学習にまつわるお話です。RISUで学習する子どものデータを比較・分析したところ、理想的な学習習慣のヒントが見えてきました。
「個々人の経験則ではなく、統計データなどの科学的根拠に基づいた知見を入れて教育をとらえ直そう」という、エビデンス・ベースドの視点に立って、「学習の時間帯」「学習の頻度」というふたつの入り口から、いま一度お子さんの学習習慣を見直してみませんか?
夜中まで頑張る子ほど、成績が下がる!?
まずは、「学習の時間帯」についてお話しします。みなさんのお子さんは朝型ですか?それとも夜型ですか?子どもが夜遅くまで勉強しているのを見ると、つい「えらい!」とほめてあげたくなりますよね。私も夜型の子どもだったのですが、遅くまで机に向かっていると、よく母親が夜食を用意してくれたものです。 それが嬉しくて、当時は深夜まで勉強を頑張っていました。
でもじつは、深夜学習は効率が悪いばかりか、お子さんの成績を下げる原因にもなる、おすすめできない習慣です。
思い当たるおうちの方がいらっしゃったら、すぐにやめさせたほうがよいかもしれません。
夜学習の効率の悪さを示す、こんなデータがあります。朝型と夜型の子どもの「学習スピード」と「継続力」をそれぞれ比べたあるデータによると、朝型の子どもを100としたとき、夜型の子どもの学習スピードは73、継続力は48まで落ちるという残念な結果が出ています。勉強に取り組む時間帯が遅くなるにつれて、学習理解のスピードも、継続期間も下がっていきます。つまり、夜遅い時間に勉強する子ほど、効率も悪く、続かないということなのです。これは、いったいなぜでしょう。
「脳の疲れ」が勉強効率を下げる!
夜型の子の勉強効率を下げる大きな要因は、「脳の疲れ」。
子どもは日中、さまざまなことに夢中になっています。
学校で勉強をしたり、友だちと遊んだり……。朝起きてから12時間以上もたてば、体はもちろん、脳も疲れきってしまいます。一日活動して疲れた脳に、新しい情報を詰め込もうとしても、思うように入らないのは当然のこと。効率よく学習するには、脳のコンディションを整えることが大切です。
脳の疲れをとるには、充分な睡眠が欠かせません。これは科学的にも証明されていることですが、たしかに、しっかりと睡眠をとった翌朝は、心も体もすっきりしますよね。