子育て情報『「経済格差」が「学力差」を生んでいる。アメリカのオンライン教育の現状』

2020年12月25日 08:44

「経済格差」が「学力差」を生んでいる。アメリカのオンライン教育の現状

こうした経済格差の問題は、これから先、ますます顕在化してくることが予測されます。

学びノベーション9-4


アメリカ社会が抱える問題。いずれ日本でも……

また、アメリカ社会全体に目を向けると、9月末で立ち退き請求保留の暫定法が失効し、家を追われた家庭も増えています。日本では、生活保護を受ければ最低限の衣食住を保証されています。しかし、アメリカでは住居に関するサポートは非常に限定的です。そのため、親にお金が入ったときは深夜運航のバスで寝て、それ以外は路上かホームレスのシェルターで寝る生活を余儀なくされる子どもたちもいます。

アメリカでは、最も裕福と言われるシリコンバレーでも、約1割の家庭は学校給食なしでは3食食べられないのが現実です。学習機能だけでなく、生活サポートの場としての学校、という側面も考えていく必要があるでしょう。
これまで見てきたように、最先端のIT企業がひしめくシリコンバレーでさえ、オンライン教育をめぐるさまざまな問題に直面し、その対応に追われています。アメリカで明らかになったこれらの問題は、いずれ日本でも十分に起こりうるものです。

しかし、コロナ禍がもたらした「変化の時代」は、従来のやり方を見直し、教育をよりよい方向に変えるチャンスでもあります。コロナウイルス第三波の到来が叫ばれるいま、状況を冷静に分析し、関係者どうしが協力し合って、よりよい学習環境をつくっていくことが大切だと、強く感じています。

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