子どもの心を豊かに育むスキンシップ。皮膚は「露出した脳」だった――
傾向があることもわかっています。それは「皮膚レベルの欲求が満たされていない」ことが原因であり、「皮膚の欲求不満が、生まれてからずっと続いていたに違いない」と山口先生は指摘しています。
スキンシップを増やして不満を解消することで、問題行動が軽減された実例もたくさんあることから、子どもの心の問題は親とのスキンシップと密接に関わっていることがうかがえるでしょう。
子どもの肌に触れるときに気をつけたいこと
ここまで読んで、「子どもと積極的にスキンシップをとらなくちゃ!」と意気込む人もいるかもしれません。しかし、親子のスキンシップは、日常的かつ自然に取り入れないと意味がないのです。それどころか、逆効果になってしまうこともあるので要注意。ここでは、オキシトシンを増やす触れ合い方のポイントを紹介していきます。
○親の気持ちよりも子ども気持ち優先で
自分の機嫌がいいときや手があいて暇なときなど、親の都合で無理に子どもを抱きしめたり、スキンシップをとったりしていませんか?残念ながら、子どもが求めていないのに触れ合っても、オキシトシンは増えません。
子どもから「だっこして」と求めてきたり、体をくっつけてきたりしたら、「ちょっと待って」「あとでね」などと言わずにすぐに受け入れてあげましょう。
○日常のコミュニケーションにさりげなく取り入れる
本を読んであげるときに膝の上に座らせる、お手伝いをしてくれたときに「いいこいいこ」と頭をなでてあげる、添い寝しながらトントンするなど、普段の生活のなかでスキンシップをとれる瞬間はたくさんあります。毎日の習慣にすることで、子どもだけでなく親もオキシトシンが分泌されやすくなります。その結果、ストレスが軽減して気持ちが安定するという相互効果も期待できますよ。
○子どもの肌を優しくマッサージする習慣を
子どもは手のひらで優しくマッサージしてもらったり、トントンとリズミカルに皮膚を刺激されたりすると喜びます。小児看護を専門とする原田眞澄教授(中国学園大学)によると、「肌に触れることは、する側・される側のどちらにとっても情緒が安定する効果がある。また親子の絆も深まる」のだそう。お風呂上がりに保湿クリームやローションを手のひら全体で伸ばして塗ってあげると、親子の楽しいひとときにもなるのでおすすめです。
○抵抗感があるなら遊びの延長から
そうは言っても、さまざまな理由から「どうしてもスキンシップが苦手」