共通テスト(英語)に必要なリスニング対策と効果的な練習法
ですが、これまですべて2回読まれていたものが、配点でいうと59%相当、マーク数でいうと70%相当が1回のみの読み上げになりました。この影響は大きいと思います。
これまでであれば、1回めですべて聞き取れなかったとしても、2回めで聞き落としたところのみに特に注意を払って聞く、という方略が可能だったのに、それができなくなるわけですからね。
しかも、講義形式のものや、複数人がディスカッションを繰り広げるようなまとまった長さのものも、1度で理解できなければなりません。当然すべての内容を記憶しておくというのはなかなか難しいので、こういった問題については、すばやくメモをとりながら聞く必要があります。
「なんとかギリギリ聞き取れる」というレベルだと、聞きながら同時に別の作業を行なう、というのはかなり脳内での処理にかかる負担が大きくなります。少なくとも、英語音声の9割程度は余裕をもって聞き取り、理解できるというレベルにもっていけないと、高得点は難しくなるでしょう。
ーー共通テスト(英語リスニング)で特に注目すべき問題はありますか。
田畑さん:
第1問〜第6問のうち、第3問〜第6問が1回読み上げの問題となりました。
第3問は、会話を聞いて、その内容についての問いに対し、正しい選択肢を選ぶというものです。センター試験でも似たような問題は出題されていましたし、1回読みであっても、基本的には会話の内容にだけ集中していれば、あとから選択肢を見て正しいものを選ぶことはそこまで難しくありません。
ですが、第4問〜第6問については、1回しか聞けないうえに、表やグラフなどの資料と英文を照らし合わせたり、適切にメモをとりながら聞いたり、全体の流れから話者の伝えたい要点を判断したりと、同時に複数のことを行なう必要がある問題ばかりです。
ただ「聞いて理解する」以上のスキルが求められるわけですね。
大学入学共通テスト(英語リスニング)に必要な対策とは
ーー共通テストのリスニング対策は、旧センター試験のリスニング対策と同じような解き方のテクニックが通用すると思いますか。
田畑さん:
こういった共通テストの問題に対応するために、たとえば問題を先に読む、とかメモのとり方はこういうふうにしよう、といった解き方のテクニックのようなことを調べて、身につけようとされる方も多いかもしれません。
もちろん、こういった問題形式への慣れというものも、ある程度は必要になってきますので、対策としては間違っていません。