“10歳までに” すべき4つのこと。なぜ「遊べていない人間」はダメなのか?
子育てや教育にまつわる情報を探していると、「10歳までに◯◯すべき」という説をよく目にします。それはなぜでしょう?
どうやら「10歳までの子ども」は、親子の関わり方によってぐんと伸びる可能性を秘めているらしいのです。今回は、子どもの未来のために「10歳までにしておきたいこと」について考えていきます。
「10歳までに〇〇すべき」の科学的根拠
そもそも「10歳まで」という年齢に根拠はあるのでしょうか?小学校高学年に差しかかる10歳の子どもは、大人に比べるとまだまだ幼稚な面が多いものの、子どもっぽさが抜けつつある変化の過渡期です。ここでは、脳や心の成長と教育面における10歳までの変化を見ていきましょう。
■脳の発達における「10歳」とは
まずは脳科学の面から、10歳までの子どもの脳の成長について解説していきます。発達脳科学・MRI脳画像診断の専門家である加藤俊徳氏は、子どもの脳の成長には段階があり、その年齢に適した脳の発達を促すことが大切であると述べています。
具体的には、3~7歳くらいまでは体を動かすことを重点的に、五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)で脳に情報を取り入れることを意識するといいそう。目的は右脳の成長を促すこと。「感性脳」と呼ばれる右脳の発達は、相手の気持ちを汲み取るなど、他者と上手にコミュニケーションをとるのに欠かせません。
続いて7歳以降、小学校に入ると教科書を使ってたくさん勉強をするようになり、言葉の情報を理解する能力が鍛えられます。これにより「論理脳」と呼ばれる左脳が著しく成長し、自分自身を理解するのに役立ちます。
加藤氏によると、「10歳以降にぐんと伸びるのは、体験を言葉にしたり、文字情報を読んで深い理解につなげたりする能力。だからこそ、それまでに言葉以外の体験を十分にしておく必要がある」とのこと。満点の星空を見上げる、炎天下でかき氷を食べる、虫の声に耳を傾けるなど、五感を通したさまざまな体験をさせてあげましょう。
■心の発達における「10歳」とは
よく「10歳の壁」という言葉を耳にしますが、発達心理学の観点からも、10歳は精神的な不安定さが顕著に現れる難しい時期だと言われています。
「子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題」(文部科学省)によると、10歳前後の子どもは「自分のことを客観的にとらえられるようになる反面、自己に対する肯定的な意識をもてず、劣等感をもちやすくなる」