5歳頃から育てたい “共感力と思いやり” 。日本人の5人に1人は「エンパス」かもしれない――
あなたのお子さまの「共感力」は高いと感じますか?もし、学校や園でのお友だちトラブルが多いのであれば、お子さまの共感力は “まだ” 育っていないのかもしれません。
非認知能力育成ライフコーチのボーク重子氏は、「『共感力』は非認知能力のなかでも、これからますます重要になっていく力」だと断言しています。
また最近は、ビジネスの世界でも共感力が注目されつつあるのだとか。グローバル化、多様化が進んでいく社会で、共感力はかかせないスキルになりつつあるようです。
今回は、幼少期から高めたい「共感力」について、深く考えてみます。
「共感力」とは?
「共感」とはどんな意味なのでしょう。『新レインボー小学国語辞典改訂第6版』によると、共感とは「ほかの人の考えや意見・気持ちなどに、自分もそのとおりだと感じること。
また、その気持ち」とのこと。
そして心理学の観点から見てみると、共感には3つの種類があるそうです。『スタンフォード大学の共感の授業』著者であるスタンフォード大学准教授のジャミール・ザキ氏や、世界的ベストセラー本『EQこころの知能指数』著者で心理学者のダニエル・ゴールマン氏は、3つの共感を以下のように説明しています。
■認知的共感――考える
相手の感情を理解しようとすること。たとえば、友人が大事なテストに失敗したとき。その友人が「いまどんな気持ちでいるのか、なにを考えているのか、これからどうしようとしているのか」など、当人の感情や思考を推測しようとする力。
■情動的共感――共有する
相手の悲しい(嬉しい)気持ちが伝染し、自分自身も悲しい(嬉しい)気持ちになるなど、相手と同じ感情を抱くこと。この情動的共感は、相手の表情や声、しぐさなどを目で見ることによって、脳が反応するために起こる現象です。
「人類が社会的動物として生き抜くうえで身につけてきた術」とも言われています。
■共感的関心――配慮する
「相手が自分になにを求めているのか」「自分は相手になにをしてあげられるのか」を考える力。「認知的共感」「情動的共感」の2つは、直感的な共感であるのに対して、共感的関心は、相手の幸せを考慮して自分自身の行動を決めるため、熟考が必要になると言われています。
また共感力は、ビジネスの場面でも活用されているようです。ザキ氏は『スタンフォード大学の共感の授業』のなかで、「共感豊かな職場は、強力なコラボレーションが生まれやすく、ストレスが少なく、社員の士気も高い傾向があり、困難な出来事から立ち直るスピードも速い」