「怒りっぽい子」と「感情に左右されない子」の環境はこんなに違う。攻撃的な態度の原因は親?
「瞬間湯沸かし器みたいに、急に怒り出す」「すぐに手が出る」「自分の思い通りにならないと泣いて怒る」など、怒りっぽい子どもに困っている親御さんは少なくないかもしれません。しかし一方で、「怒り」をコントロールできる子どももいます。
今回は、「怒りっぽい子」と「怒りをコントロールできる子」の違いを考えてみました。わが子を「怒りっぽい子」にしないためにできることも、詳しく説明しています。
「怒り」とはどんな感情?
子どもが怒りっぽくなる原因は、もともとの性格のせい?それとも、ただのわがまま?まずは、「怒り」の感情について分析してみましょう。
一般社団法人日本アンガーマネジメント協会代表理事の安藤俊介氏は、「怒りは、身を守るために備わっている感情」で「誰にでもある自然な感情」だと述べています。
自分の生命や家族が危険にさらされたり、大切にしている価値観や立場が傷つけられたり、自分の思い通りにならなかったりしたときに、怒りという感情を使って、危険から大切なものを守ろうとするのです。誰にでもある自然な感情ですから、怒ること自体は悪いことではありません。
(引用元:サワイ健康促進課|アナタの怒りの傾向と対策は?)
「怒り」の感情をもつことは悪くないのです。では、その「怒り」の感情はなぜ湧き上がってくるのでしょう。御池メンタルサポートセンターの臨床心理士・内田千智氏によると、「怒り」は二番めに出てくる感情(第二感情)で、実際には、怒る直前に生じている感情(第一感情)があるのだそう。
たとえば、子どもの帰宅が遅かったので、「何時だと思ってるの!どこに行ってたの!」と怒鳴ってしまった……ということはありませんか?内田氏は、このときの「なにかあったのではないかと心配だった」という「悲しい」「困った」「心配した」などが第一感情だと言います。この第一感情を感じたことで、第二感情である「怒り」が発生するのだそう。
内田氏によると、「怒り」の第一感情は、寂しさ、悲しさ、恥ずかしさなどのネガティブな感情であることが多く、しかも「ほとんどの場合、それは怒りの裏に隠れて自覚されない」とのこと。そこで、第一感情を見つけることが「怒り」を解消するヒントとなるようです。
また、ポジティブ育児研究所代表で公認心理師の佐藤めぐみ氏は、生まれてからの環境がきっかけで怒りやすくなる子もいると述べています。