【幼児期編】「過保護」から一歩抜け出す——。子どもの自主性を伸ばす「見守り方」
公認心理師の佐藤めぐみ氏は「干渉し過ぎる親のもとで育った子は、のちのち社会に出てからもさまざまな問題を抱える傾向があります」と語ります。失敗や小さな困難こそが、子どもにとって大切な学びの機会である点を意識しておきたいですね。*2
幼児期に気をつけたい「過保護」例と改善方法
次に挙げるのは、幼児期にありがちな過保護の一例です。「これやっているかも……」と思ったら、ぜひ改善方法を参考にしてみてください。
【過保護チェックリスト】
- 子どもの身支度を毎回親が完璧に整えてしまう
- 子ども同士のちょっとした衝突にも、すぐに口出しをする
- 子どもが嫌がることを先回りして「代わりに」引き受けることが多い
もし当てはまるなら、「過保護」になりやすい傾向があるかもしれません。以下で具体的な事例を見ながら、対処法をチェックしてみましょう。
【例1】子どもの友だちを親が選んでしまう過保護例
「もうあの子と遊ばないほうがいいよ」「この子は優しいから、この子と遊んだら?」改善方法
友だちを選ぶのは子ども自身。親は一歩下がって見守る解説
トラブルを避けたい気持ちはわかりますが、衝突もまた子どもの大切な学び。
明治大学文学部教授の諸富祥彦氏は、「友だちを選ぶという行為は、絶対に子ども自身にさせるべき」と警鐘を鳴らします。多少のいざこざを経験することで、「自分で相手を見極める力」「相手の気持ちを考えながら行動する力」を育むのです。親はおおらかに構えながら、危険度の高いトラブルにだけ目を光らせる程度でOK。少しのケンカに心配しすぎず、子どもが自分で解決法を見つけられるよう見守ってみましょう。*1【例2】子どもの意見を聞かずに衣服や持ち物を決めてしまう過保護例
「〇〇ちゃんは青が好きだから、このスカートにしようね!」改善方法
「どうしたい?」と子どもに聞く。選択肢を2~3つ用意してサポートしても◎解説
子どもが自分の好みや感性を言葉にするには、普段から「選ぶ」経験を積むことが大切です。佐藤氏は、「まずは子どもにどうしたいかを聞いてほしい」と述べています。たとえば、2~3着の服を出して「どれがいい?」と聞いたり、朝ごはんを選ばせたりするだけでも、子どもは「自分の考えをもって決める」トレーニングを積めます。
こうした小さな習慣の積み重ねが、先々の自発性や決断力につながっていくのです。*2【例3】子どもの要求に100%応えすぎる過保護例
忙しくても「ママ、だっこ~」