【幼児期編】「過保護」から一歩抜け出す——。子どもの自主性を伸ばす「見守り方」
と言われたら、そのつど手を止めて抱き上げる改善方法
いまは手が離せない状況を伝え、代わりにできることを頼む解説
小児科専門医の成田奈緒子氏は、「親は、いつでも100%子どもと向き合わなくていい」と強調します。たとえば料理中なら、「ごめんね、いまは手が離せないから、テーブルを拭いてくれる?」と提案すると、子どもは「お手伝い」という形で関わりをもてます。すると「やってみたら自分にもできた!」という達成感を味わい、「ありがとう」と感謝されることで自己肯定感も高まるのです。いつでも子どもの要求を優先させるのが愛情とは限りません。ほどよい距離感を保ち、子どもの「自分でできること」を増やす工夫を心がけましょう。*3
「過保護」を防ぐために――安心して見守るための心のもち方
子どもに失敗させたくないという強い思いから先回りしてしまうのは、決して珍しいことではありません。特に責任感が強い保護者の方は、「これで本当に大丈夫なのか」「子どもの将来はどうなるのか」と常に不安を抱えがちで、気づかないうちに過保護へ傾いてしまうことがあります。
そんなときは、いったん自分の不安や悩みを整理する時間をつくり、「実際にどれくらい深刻な問題なのか」「子どもにはどのくらいの力があるのか」を客観的に見つめ直してみてください。
たとえば、頭のなかを整理するために思いを書き留めたり、パートナーや信頼できる人に率直に話をしてみるだけでも、気持ちが軽くなる場合があります。
こうして、「子どもの小さな失敗は成長につながる大切な学び」「乗り越えられる力は子ども自身が持っている」と思えるようになると、自然と先回りを控えて見守れる余裕が生まれます。親が安心して構える姿勢こそが、子どもにとっても大きな心の支えになるはずです。
幼児期から学童期への移行もスムーズに!見守りを習慣にしよう
幼児期は、子どもが「自分で考える」「自己表現をする」基礎を身につける大切な時期。ここで過保護になりすぎると、学童期や思春期に入ってからも自分で判断できない、何かあれば親を頼りにしてしまう子に育ちやすくなります。
逆に言えば、幼児期から見守りの姿勢を大切にすることで、学童期の「自分づくり期」にもスムーズに入っていけるということ。子どもが自分の目標をもち、主体的に学ぶ力を伸ばすためにも、幼いころから「失敗や葛藤に向き合う体験」をさせておきましょう。