子どもの瞬発力が劇的UP! プロ直伝の簡単トレーニング3選
「もっと速く走れるようになりたい」「試合で素早く動きたい」――。そんな子どもの願いをかなえるために欠かせないのが「瞬発力」です。
サッカーやバスケットボール、陸上競技など、あらゆるスポーツで重要な役割を果たす「瞬発力」。じつは、子ども時代の体験や環境によって大きく伸ばすことが可能な力であることはご存じでしょうか?
本記事では、専門家の知見をもとに「子どもの瞬発力を伸ばす方法」をご紹介します。遊びや日常生活に取り入れやすい工夫を交えながら、今日から実践できるヒントをお伝えするので、ぜひ参考にしてくださいね。
瞬発力とは「一瞬で大きな力を発揮する能力」
瞬発力とは「一瞬で大きな力を発揮する能力」のこと。スタートダッシュで素早く走り出す、ボールに反応してすぐに動く、高くジャンプする――どれも瞬発力が関わっています。
また、「体のバランスを崩さずに立て直す」「危険を察知して素早く避ける」といった動きにも直結するため、スポーツだけでなく、日常生活を安全かつ活発に送るためにも欠かせない力なのです。
子どもの瞬発力は、日常の遊びや多様な運動体験を通じて自然に伸びる力だと言われています。特に神経系が発達する小学生の時期は、その基礎をつくるゴールデンタイム。では、お子さんの瞬発力を効果的に伸ばすための、家庭でできる具体的な方法を見ていきましょう。
瞬発力アップのカギは「高ばい」!
「運動神経がいい」と聞くと、走るのが速い、体力があるといったイメージをもつ人も多いでしょう。ですが、実際に運動センスのある人は、状況に応じて動作を切り替えたり、タイミングを合わせて体を動かしたりするのが得意な人。これらの力は「コーディネーション能力」と呼ばれ、瞬発力に直結する「反応力」や「変換力」も含まれます。
また、自分の体の感覚を正しくとらえる力=「内観力」が優れている人ほど、運動が得意な傾向があるのだそう。キャッチボールや鬼ごっこなど、全身を使った昔ながらの遊びを通して子どもは自然に内観力を育み、瞬発的に動ける体をつくっていきます。
子どもの瞬発力を伸ばすために、コーディネーションの専門家・高橋宏文氏がすすめるのは「高ばい」です。高ばいとは、膝をつかずに手足で体を支える姿勢のこと。この高ばいを取り入れた遊びをすることで、楽しみながら瞬発力を伸ばすことができるでしょう。
瞬発力を伸ばす【高ばい遊び】
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「縄跳び」こそ瞬発力を伸ばす最強トレーニング
「縄跳び」は高度な協調運動であり、発達段階にある子どもには難しく感じます。そのため、縄跳びが苦手な子どもも少なくありません。しかしこの縄跳びこそ、瞬発力を育てるうえで非常に有効なトレーニングだと、スポーツひろば代表の西薗一也氏は断言しています。
ポイントは、一気にできるようになるのを求めないこと。小さい子どもは、自分の体の出力をまだ上手にコントロールできません。
だからこそ、ひとつひとつのステップを分けて練習し、少しずつ成功体験を積み重ねることが大切です。
「できた!」という瞬間は、子どもの自己肯定感を大きく高め、さらに挑戦しようという意欲を引き出します。その繰り返しが、瞬発力を発揮するための「瞬時に力を出す感覚」を磨いていくのです。
瞬発力を伸ばす【縄跳び練習】
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「速いスキップ」で瞬発力&走力を同時に強化!
「スキップ」は、瞬発力、バランス感覚、リズム感、協調性を同時に育てられる万能な運動です。Sports Intersection Basketball Academy代表の翁長明弘氏は、なかでも「速いスキップ」は、瞬発力を鍛えるのに最適だと話します。
速いスキップをするためには、体を前に強く、素早く運ぶ必要があります。これは、陸上の短距離走や球技のダッシュと同じ動き。つまり、スキップを繰り返すことで、走るスピードアップにも直結するのです。
親子でリズムに合わせてスキップをしたり、友だちと競争してみたりと、工夫次第で練習がゲームに変わります。取り組むうちに楽しい気持ちになり、自然と笑顔になるでしょう。楽しみながら瞬発力アップにもつながる――スキップの効果はあなどれません。
瞬発力を伸ばす【速いスキップ】
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瞬発力が開花する「ゴールデンエイジ」とは?
子どもの運動能力を伸ばすにあたって、近年では「プレ・ゴールデンエイジ」(5~8歳)と「ゴールデンエイジ」(9~12歳)の重要性が周知されています。
リーフラス株式会社の市川雄大氏も、プレ・ゴールデンエイジこそが運動能力向上の最重要期間だと指摘しています。
運動の基礎を身につける準備期間であるプレ・ゴールデンエイジから、縄跳びやスキップのような体を多様に使う運動を経験させることで、その後のゴールデンエイジで瞬発力を含む運動能力が一気に開花するのです。
しかし大事なのは、決して無理をさせないこと。運動能力を習得するスピードには個人差があるため、まずは「体を動かす楽しさ」や「運動で得られる爽快感」を実感させることが大切です。散歩や公園で遊ぶことも立派な運動。日常生活でも子どもは自然に体を動かし続けるため、幅広い体験を通じて瞬発力も大きく育ちます。
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子どもの瞬発力O&A|家庭での工夫から将来への影響まで
Q1. 瞬発力は何歳から伸ばせますか?
A. 神経系が柔軟な幼児期(3~6歳)から遊びを通じて育み始められます。
特にゴールデンエイジ期(9~12歳)は伸びやすく、発達のピークといえます。
Q2. 家庭でできるトレーニングはありますか?
A. 鬼ごっこ、かけっこ、縄跳びなどの遊びで十分です。またスキップやしっぽ取りゲームなど、短時間でできる遊びもおすすめ。本格的なトレーニングよりも、楽しみながら取り組むことが大切です。
Q3. 瞬発力が弱いと将来に影響しますか?
A. スポーツだけでなく、日常の動作や危険回避、学習面での集中力にも関わります。瞬発力があることで生活全般にプラスの影響が期待できるでしょう。
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鬼ごっこやキャッチボール、縄跳びやスキップといった身近な遊びを通して自然に育める「瞬発力」。子どもがスポーツを楽しみ、成果を出すために欠かせない能力であると同時に、日常生活における危険回避にも役立ちます。
成長期に応じたアプローチを心がけながら、親子で一緒に楽しく瞬発力を鍛えていきましょう!
(参考)
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