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「サンタの正体は!?」「一晩でどうやって世界中を回るの?」【親子で学ぶ クリスマスの話】

「サンタの正体は!?」「一晩でどうやって世界中を回るの?」【親子で学ぶ クリスマスの話】

「サンタさんって、どうやって世界中にプレゼントを配っているの?」「一晩で全部の家に行けるの?」

クリスマスの前後、ニュースや絵本、街の飾りを見ながら、子どもからこんな質問をされたことはありませんか。こうした疑問は、単なる空想ではなく、子どもが世界の仕組みを理解しようとし始めているサインだと考えられています。*1

今回は、「親子で学べるシリーズ」として、サンタクロースの正体(はじまり)や仕組みを、子どもにもわかりやすく解説します。

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サンタクロースのはじまりは「人を助けた人」

サンタクロースは空想だけの存在ではありません。物語の始まりは、3世紀後半にギリシアで生まれた司教、聖ニコラウスという実在の人物です。*3
聖ニコラウスは、困っている人や子どもを助けた人物として、多くの記録や伝承が残されています。*3

たとえば、有名なのが「貧しい家族を助けた話」です。ある家族には3人の娘がいましたが、お金がなく結婚できない状況でした。
それを知った聖ニコラウスは、夜中にその家の窓から金貨を投げ入れ、娘たちを助けたと伝えられています。*3

伝説では、投げ入れられた金貨が、暖炉のそばに干してあった靴下のなかに入ったとされています。これが「クリスマスに靴下を吊るす」習慣の由来だと言われています。

この「夜中にこっそり贈り物を届ける」という行動が、いまの「クリスマスの夜にプレゼントを届ける」サンタクロースのイメージにつながったと考えられています。

【子どもへの説明例】
サンタさんは、昔いた「人を助けたやさしい人」がもとになっているんだよ。その人は、困っている人にこっそりプレゼントを届けていたんだ。そのお話が、だんだん世界に広がっていったんだよ。
「サンタの正体は!?」「一晩でどうやって世界中を回るの?」【親子で学ぶ クリスマスの話】

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※この記事は大人向けに書かれています。子どもが読むと、クリスマスの楽しみが減ってしまうかもしれませんので、ご注…

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サンタはフィンランドに住んでいる

現在、サンタクロースはフィンランドに住んでいるとされています。
この由来は、1920年代にアメリカで広まった「サンタクロースの故郷は北極である」という考えにさかのぼります。北極圏に位置するフィンランドのラップランドが、サンタクロースの故郷として注目されるようになり、1927年にはフィンランド国営放送局がラップランド東部にあるコルヴァトゥントゥリをサンタクロースの住まいとして宣言しました。

現在でもフィンランドには「サンタクロース村」があり、世界中から手紙が届いています。実際にサンタにお手紙を書いたり、サンタクロース村の様子をオンラインで観たりすることもできます。こちらの記事に詳細が書かれています。ぜひ覗いてみてくださいね。


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【子どもへの説明例】
サンタさんは、フィンランドという寒い国に住んでいると言われているんだよ。そこには「サンタクロース村」があって、世界中の子どもたちから手紙が届くんだって。
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一晩で世界中?サンタの仕事スケジュール

地球は24時間で自転しているため、国や地域によって夜になる時間が異なります。サンタクロースが時差を使えば、24時間以上の配達時間が確保できると考えられています。*4
「一晩で世界中の家を回るなんて、できるの?」これはとても自然な疑問です。

ここでヒントになるのが、地球の形と時差です。地球は24時間で自転しており、国や地域によって夜になる時間が異なります。*5

たとえば、日本が12月24日の午後9時のとき、ロンドンはまだ同じ日の正午、ニューヨークは午前7時です。
つまり、地球上のどこかでは常に「夜」が訪れているのです。*5そのため、夜になった地域から順番に訪れていくと考えると、「一晩で世界中」という表現も、少し現実的にイメージできます。

クリスマスは世界の約160の国や地域で祝われていると言われており、サンタクロースが東から西へ、時差に沿って移動していくと考えれば、理論上は24時間以上の「配達時間」が確保できることになります。

さらに、地球には「国際日付変更線」という特別な線があります。この線を越えると日付が変わるので、サンタクロースがうまく使えば、12月24日を2回使うことも可能です。この考え方は、地理や理科の学習にもつながる視点です。*6

【子どもへの説明例】
日本が夜のとき、ほかの国はどうなっているかな? 地球の形を思い出して考えてみよう。世界地図と時計を用意して、「いま日本が夜9時なら、アメリカは何時?」と一緒に計算してみましょう。
時差を実感できる機会になります。
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トナカイとそりは、なぜ必要?

北極圏では雪が深く気温も低いため、雪上移動に適したトナカイとそりが使われてきました。*6 サンタクロースの移動手段も、この地域の生活に合った選択なのです。
北極圏周辺では、雪が深く、気温も低いため、雪上移動に適した動物や道具が発達してきたことが知られています。*7 トナカイは寒冷地に適応した動物で、人と共に暮らしてきた歴史があります。*8 サンタクロースがトナカイとそりを使うのは、雪の多い場所で暮らすための自然な選択なのです。

サンタクロースのトナカイには名前がある
サンタクロースのそりを引くトナカイには、それぞれ名前があることを知っていますか?

1823年にアメリカで発表された詩「聖ニコラスの訪問」のなかで、8頭のトナカイの名前が紹介されました。ダッシャー、ダンサー、プランサー、ヴィクセン、コメット、キューピッド、ドナー、ブリッツェンです。


この詩は「クリスマスの前の晩」という名前でも知られていて、世界中で読まれるようになりました。後に赤鼻のトナカイ「ルドルフ」も加わり、9頭のチームとして知られるようになりました。

【子どもへの説明例】
サンタさんのトナカイには、それぞれ名前があるんだよ。雪が多い場所では、トナカイとそりが一番便利な乗り物なんだ。
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親子で話してみよう!対話のヒント
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サンタクロースについて子どもと話すとき、大切なのは「正解を教える」ことではなく、「一緒に考える」ことです。以下のような問いかけから、対話を始めてみましょう。

「サンタの正体は!?」「一晩でどうやって世界中を回るの?」【親子で学ぶ クリスマスの話】
「サンタが学校に来るとしたら、どうやって入ると思う?」
→ 煙突がない場所での「配達方法」を想像することで、問題解決力を育てます
「サンタの正体は!?」「一晩でどうやって世界中を回るの?」【親子で学ぶ クリスマスの話】
「夜になる順番を考えると、どこから行きそうかな?」
→ 地球の自転と時差の関係を、実感として理解するきっかけになります
「サンタの正体は!?」「一晩でどうやって世界中を回るの?」【親子で学ぶ クリスマスの話】
「一晩で世界中って、できると思う? どうしてそう考えた?」
→ 子どもの推論プロセスを言語化する練習になります
「サンタの正体は!?」「一晩でどうやって世界中を回るの?」【親子で学ぶ クリスマスの話】
「もし自分がサンタだったら、どんな準備が必要だと思う?」
→ 計画性や段取りを考える力につながります
***
サンタクロースの話には、世界の仕組みを考えるヒントがたくさん詰まっています。

時差や地球の自転、歴史上の人物の行動が物語になっていくこと、異なる文化で共有されるイメージ——。
「どうしてだろう?」という子どもの素朴な疑問は、学びのスタート地点です。

クリスマスという特別な日を、ぜひ学びと対話の入り口として、親子で楽しんでみてください。

(参考)
*1 文部科学省|幼児期の終わりまでに育ってほしい姿(幼児期の発達と学び)
*2 Encyclopaedia Britannica|Saint Nicholas
*3 The British Museum|Myths, legends and storytelling
*4 国立天文台|なぜ時差ができるの?
*5 NHK for School|地球の自転と時差(小学校理科)
*6 National Geographic|Arctic environment
*7 WWF(世界自然保護基金)|Reindeer
*8 OECD|Skills for Social Progress: The Power of Social and Emotional Skills

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