【2026年最新】お年玉から始める”金融教育”|小学生の相場と教え方4つのポイント
「お年玉っていくらあげればいいの?」
「もらったお年玉、どうやって使わせればいいんだろう…」
2026年のお正月を前に、こんな悩みを抱えている保護者の方も多いのではないでしょうか。お年玉の相場は年々変化していますし、ただ渡すだけでなく「子どもにとって意味のある使い方」を教えたいと考える親も増えています。
じつは、お正月は子どもへの金銭教育を始める絶好のチャンス。今回は、2026年のお年玉相場を踏まえながら、アメリカでも実践されている「お金の4つの使い方」をご紹介します。
お年玉を通して、子どもと一緒にお金との付き合い方を学んでいきましょう!
小学生のお年玉相場2026年はどのくらい?
株式会社インテージが2024年12月に実施した「2025年お年玉調査」と、学研ホールディングスの「2024年調査」によると、小学生へのお年玉相場(子どもにあげる予定の金額帯のなかでもっとも大きかったもの)は以下の通りです。
学年別の相場目安
- 小学校低学年(1-3年生):2,000円~3,000円(45.0%)*1
- 小学校高学年(4-6年生):4,000円~5,000円(38.6%)*1
また、わかりやすい計算方法を取り入れる家庭も増えています:
- 「学年×1,000円方式」(例:2年生なら2,000円)
- 「年齢×1,000円方式」(例:8歳なら8,000円)
同調査では、お年玉をあげる人の予算総額平均は24,775円でした。*1 また、学研ホールディングスの調査では、小学生がもらうお年玉の総額平均は20,225円となっています。*2
普段のお小遣いと比べるとかなり大きな金額なので、お金の教育を始める絶好の機会といえるでしょう。
ただし、地域性や各家庭の事情によって実際の金額は大きく異なります。
お年玉で始める、お金の教育のベストタイミング
お年玉で重要なのは、金額の多い少ないではありません。大切なのは、お金の管理方法や計画的な使い方を学ぶことです。
2022年度から高校での「資産形成」教育が必修化され、日本でも金融教育の重要性が見直されています。特に現代は、電子マネーやスマホ決済が普及し、子どもにとってお金が「見えない」存在になりつつあります。だからこそ、現金である「お年玉」は、子どもの金融教育のスタートに最適な教材。実際にお金を手に取り、数えて、管理することは、お金の教育を始める絶好の機会となるのです。
「4つの使い方」で実践する、お金の教育
アメリカの金融教育では、「お金を管理し、健全な経済生活を送るために必要な力」を育てることを重視しています。
*3 以下の4つの使い方(Spend, Save, Invest, Give)は、小学生の金銭教育にも取り入れやすい基本的な考え方です。*3
この4つの基本をおさえ、使い方を一緒に考えていきましょう。
1. 【Spend】計画的に「使う力」を育てる
「全部使って好きなもの買いたい!」という子どもの声は、絶好の教育チャンスです。
【Spend】
- 子どもと話し合って「自由に使えるお金」の金額を決める
- 予算内で何を買うか優先順位を考えさせる
- 「これを買ったらほかのは買えない」という選択の経験を積む
この優先順位を選択する経験が、お金の価値を理解するきっかけとなります。「欲しいもの」と「本当に必要なもの」を見極める力は、大人になっても役立つ重要なスキルです。
2. 【Save】目的を持って「貯める力」を育てる
お年玉の貯金は多くの家庭で実践されていますが、大切なのは「何のために貯めるのか」という目的を明確にすることです。
【Save】
- 「何のために貯めるのか」目的を子どもと一緒に考える
- 低学年:半年以内の目標(「夏休みのおみやげ」「新作の本」など)
- 高学年:長期的な目標(「中学入学時の文具代」「部活の道具代」など)
目標が具体的であるほど、子どもは貯金のモチベーションを保ちやすくなります。達成したときの喜びは、計画的にお金を管理する習慣づくりにつながります。
3. 【Invest】将来に向けて「育てる力」を育てる
2022年度から高校で「資産形成」教育が必修化されたことからも、投資の基礎知識は今後ますます重要になります。
【Invest】
- お年玉を銀行に預けて利息が付く仕組みを通帳で確認
- 「貯金が増える」という概念を体験させる
- 高学年:株式や債券など基本的な金融商品について一緒に学ぶ
小学生のうちは、まず「お金がお金を生む」という仕組みを理解することが第一歩。こうした経験の積み重ねが、長期的な視点でお金と付き合う力の土台となります。
4. 【Give】感謝の気持ちを込めて「与える力」を育てる
お年玉の一部を誰かのために使う経験は、お金を通じて人や社会とのつながりを学ぶ機会となります。
【Give】
- お年玉をくれた祖父母へのお礼の品を自分のお金で選ぶ
- 家族旅行でおみやげを自分のお金で買う
- 興味のある社会活動に寄付をする
金額の大小ではなく、「誰かのために使う」という気持ちを大切にすることがポイントです。自分のためだけでなく、他者のためにお金を使う経験は、豊かな金銭感覚を育みます。
まずは子どもの年齢や興味に合わせて、できることから始めましょう。
- 低学年(1-3年生):SpendとSaveを中心に。「使う」と「貯める」の違いを体験
- 高学年(4-6年生):InvestとGiveも少しずつ導入。4つをバランスよく実践
たとえば、お年玉5,000円なら「使う2,000円、貯める2,000円、投資500円、誰かのために500円」といった分け方も。大切なのは、子ども自身が考えて決めることです。
これら4つの力を、子どもの成長に合わせて段階的に学んでいきましょう。バランスよく習得することで、将来の健全な経済生活の基礎を築くことができます。
こんな時どうする?お年玉の使い方Q&A
Q1. 「お年玉、全額使いたい!」という子どもへの対応これは多くの家庭で直面する悩みです。まずは、子どもの率直な気持ちを否定せず、「使いたい」という思いを受け止めることが大切です。
その上で「具体的に何に使いたいの?」と話を聞いてみましょう。
欲しいものが明確な場合は、先ほどの「4つの使い方」を参考に、バランスの取れたお金の管理方法を一緒に考えていけます。
Q2. 「友だちの方がお年玉の金額が多い…」と比較する子どもへの対応
お年玉の相場は家庭によって様々です。このような時は、金額の多さではなく、自分がもっているお金の価値と、その使い方の工夫に目を向けるきっかけにしましょう。
子どもの金銭教育において大切なのは、限られた予算の中で考える力や、お金をくれた人への感謝の気持ちです。そうした前向きな視点に気付けるよう、声かけをしていきましょう。
2026年のお年玉を、子どもの金融教育のチャンスに
お年玉は、子どもたちにとって大切なお金との出会いの機会です。金銭教育に正解は一つではありません。子どもの性格や発達段階に合わせて、無理のない範囲で始めてみましょう。
今回ご紹介した「お金の4つの使い方」を参考に、2026年のお年玉を「お金の教育」のスタートラインにしてみてはいかがでしょうか。子どもと一緒にお年玉の使い方を考え、話し合うことで、親子それぞれに新しい発見があるかもしれません。
(参考)
*1 インテージ|2025年お年玉調査キャッシュレスでもらいたい人、初の3割越え
*2 株式会社学研ホールディングス|お正月にもらったお年玉小学生では平均20,225円、中学生では平均27,499円、高校生では平均27,963円小学生と高校生は前回調査から減少、中学生は前回調査から増加
*3 FTC(学校教育に金融を)|アメリカからみるお金の教育4つの基本
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