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【2026年最新】レアアース問題、日本はどうする? 海底に眠る “未来の資源”【親子で学ぶ 科学の話】

【2026年最新】レアアース問題、日本はどうする? 海底に眠る “未来の資源”【親子で学ぶ 科学の話】

2026年1月、日本に二つのニュースが飛び込んできました。

一つは、「中国がレアアース輸出を制限」。*1 スマホや電気自動車に欠かせない材料が手に入りにくくなるかもしれない——そんな不安が広がりました。

でも日本は困っているだけではありません。探査船「ちきゅう」が、日本の海底6000メートルに眠るレアアースを探しに行く、世界初の挑戦が始まったのです。*2

前回「レアアースって何?」で基礎を学んだあなたへ。今回は、いま現実に起きている “レアアース問題”と、それに立ち向かう日本の姿を、親子で一緒に見ていきましょう。

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2026年1月、何があったの?


2026年1月、中国が日本向けのレアアース輸出に新しい規制をかけました。
*1 前回の記事で紹介した2010年の出来事と同じように、日本の工場や企業は「レアアースが手に入りにくくなるかも」と心配することになりました。

レアアースは、スマホや電気自動車、風力発電など、現代の生活に欠かせない材料。その生産の約7割を中国が握っているため、中国の動きが世界中に大きな影響を与えるのです。

でも、日本はただ困っているだけではありません。同じ1月、日本は「自分たちの力で未来を切り開こう」という大きな挑戦を始めました。それが、海底のレアアース探しです。

【子どもへの説明例】
2026年1月、中国が「レアアースをあまり売らないかも」って言ったんだ。でも日本は、「じゃあ、自分たちで探そう!」って、日本の海の底を調べることにしたんだよ。

【2026年最新】レアアース問題、日本はどうする? 海底に眠る “未来の資源”【親子で学ぶ 科学の話】

画像提供:JAMSTEC(海洋研究開発機構)

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日本の海底に眠る “レアアースの宝”


日本の最東端、南鳥島(みなみとりしま)という小さな島があります。東京から約1,800キロメートル離れた、太平洋のど真ん中です。

この南鳥島の周りの海底、深さ6000メートルのところに、レアアースがたっぷり含まれた「レアアース泥」が眠っていることが、2013年に東京大学の研究チームによって発見されました。*3

どのくらいすごいかというと——

  • 埋蔵量は約1600万トン(世界第3位の規模!)
  • 日本が1年間に使うレアアースの数百年分が眠っている
  • 特に貴重な「重希土類」がたっぷり含まれている
  • 中国の鉱山の約20倍も濃い、超高品質
  • 放射性物質がほとんど含まれていないから、環境にやさしい

つまり、「量も多い、質もいい、環境にもやさしい」という、三拍子そろった”宝の山”なんです。

【子どもへの説明例】
日本の海の底には、スマホや電気自動車に使う大切な材料が、すごくたくさん眠っているんだ。それも、世界でトップクラスの品質なんだって!まるで宝物を見つけたみたいだね。 undefined
画像提供:wikipedia

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深海6000メートルから、どうやって採るの?


2026年1月11日(天候の影響で12日に延期)、*4 静岡県の清水港から、巨大な探査船「ちきゅう」が出発しました。この船の使命は、世界で初めて、深海6000メートルからレアアース泥を引き上げる技術が使えるかどうかを確かめることです。
*2

深海6000メートルって、どのくらい深いの?
  • 東京スカイツリー(高さ634メートル)を10本近く積み上げた深さ
  • 水圧は地上の約600倍!
  • 真っ暗で、水温は2〜3度の極寒の世界

こんな場所から泥を引き上げるなんて、想像もつきませんよね。

どうやって採るの?
「ちきゅう」は、こんな方法でレアアース泥を引き上げようとしています:*2

1. 長〜いパイプを海底まで下ろす(6000メートル!)
2. 海底の泥を特殊な装置でやわらかくする
3. パイプの中に水流をつくって、泥を押し上げる
4. 船の上で泥を回収する
これは、世界で誰もやったことがない、超難しい挑戦です。2022年には水深2470メートルで成功していますが、*2 今回はその2倍以上深い場所。成功すれば、世界で初めての快挙になります。

2027年2〜3月には、1日350トンもの泥を回収できるかどうかを試す予定。*2 そして2028〜2030年には、本格的に採掘を始める計画です。

【子どもへの説明例】
海の底6000メートルって、東京スカイツリーを10本も積み上げたくらい深いんだよ。そんな深いところから、長〜いストローみたいなもので泥を吸い上げるんだ。
世界で初めての挑戦だから、うまくいくかドキドキだね! 
【2026年最新】レアアース問題、日本はどうする? 海底に眠る “未来の資源”【親子で学ぶ 科学の話】

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世界の国々も動き始めた


日本だけではなく、世界中の国々が「一つの国にだけ頼るのは危険だ」と考えて、動き始めています。

2010年に中国がレアアース輸出を止めたとき、世界中が大混乱になりました。そして2026年1月、また同じことが起きた——。各国は「これ以上、中国だけに頼っていてはいけない」と、本気で動き出したのです。

アメリカの動き
アメリカは、「フレンドショアリング」という作戦を進めています。*5 これは、仲良しの国同士で助け合おうという考え方。

  • 友好国(オーストラリア、カナダなど)から優先的にレアアースを買う
  • グリーンランドの鉱山開発を支援(北極圏にもレアアースが眠っている!)
  • 自分の国でも採掘・精製できるよう、技術開発にお金を出す
オーストラリア・カナダの動き
資源が豊富なこれらの国は、新しい鉱山の開発を急いでいます。

  • オーストラリアのライナス社:日本企業も投資して、中国以外で初めて大規模なレアアース生産に成功*5
  • カナダ:環境に優しい方法でレアアースを採る技術を開発中
ベトナム・インドの動き
アジアの国々も、レアアース産業を育てようとしています。


  • ベトナム:自国の鉱山を開発(ただし、採算が合うかが課題)
  • インド:レアアースを使える形に加工する「精製技術」を向上させている

つまり、世界中の国々が協力し合って、「中国だけに頼らない」体制をつくろうとしているのです。日本も、海外の鉱山開発に投資したり、技術を教えたり、リサイクル技術を提供したりして、この輪に加わっています。

【子どもへの説明例】
世界中の国が、「一つの国だけに頼ると困るから、みんなで協力しよう」って考えているんだ。アメリカもオーストラリアもカナダも、それぞれ自分の国でレアアースを探したり、友達の国と助け合ったりしているんだよ。 
【2026年最新】レアアース問題、日本はどうする? 海底に眠る “未来の資源”【親子で学ぶ 科学の話】

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日本の得意技——リサイクルと新技術


新しい鉱山を探すだけが、レアアース問題の解決策ではありません。日本には、もう一つ大きな強みがあります。それは、世界トップクラスの「リサイクル技術」です。

都市鉱山——ゴミの中の宝探し
使わなくなったスマホやパソコンの中には、レアアースがたくさん入っています。
これを「都市鉱山」と呼びます。都市がまるで鉱山みたいに、資源の宝庫だという意味です。

前回の記事で紹介した東京オリンピックのメダルも、みんなから集めた古い電子機器からつくられました。*6 集まった携帯電話は約6万2千台、小型家電は約5トン!


最近では、さらに技術が進んで:

  • 回収効率が大幅アップ:以前は捨てられていた小さな部品からも、レアアースを取り出せるように
  • コストが下がった:新しく掘るより安く、レアアースを手に入れられることも
  • 環境にやさしい:鉱山を掘ると環境が汚れるけど、リサイクルなら汚染が少ない
代替材料の研究——レアアースを使わない工夫
「そもそも、レアアースを使わないで同じことができないかな?」——日本の研究者たちは、そんな挑戦もしています。

  • レアアースを使わないモーター:ホンダや日産が開発中。電気自動車でも使える!
  • より少ないレアアースで同じ性能:磁石の設計を工夫して、使う量を半分以下に
  • 別の材料で代用:レアアースの代わりに、もっと手に入りやすい材料を使う研究
日本企業の取り組み
実際、日本の企業は着々と準備を進めています。

たとえば、パナソニックはエアコンのモーターで、レアアースの使用量を9割も減らすことに成功。TDKは、古いハードディスクから高品質なレアアースを取り出す技術を開発しました。


こうした技術があれば、たとえレアアースが手に入りにくくなっても、日本は困らずに済むかもしれません。

【子どもへの説明例】
日本は、使わなくなったスマホやゲーム機から大切な材料を取り出すのが得意なんだ。それに、「レアアースを使わなくても同じことができる新しい材料」を発明する研究もしているんだよ。地球にもやさしいし、中国に頼らなくてもよくなるかもしれないね。 
【2026年最新】レアアース問題、日本はどうする? 海底に眠る “未来の資源”【親子で学ぶ 科学の話】

親子で話してみよう!対話のヒント
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レアアースをめぐる動きは、単なる大人の経済ニュースではありません。「資源をどう使うか」「世界の国々がどう協力するか」といった、未来につながる大切な話です。

【2026年最新】レアアース問題、日本はどうする? 海底に眠る “未来の資源”【親子で学ぶ 科学の話】
「もし日本の海底からレアアースが取れたら、何が変わるかな?」
【2026年最新】レアアース問題、日本はどうする? 海底に眠る “未来の資源”【親子で学ぶ 科学の話】
「一つの国だけに頼るのと、いろんな国と協力するの、どっちがいいと思う?」
【2026年最新】レアアース問題、日本はどうする? 海底に眠る “未来の資源”【親子で学ぶ 科学の話】
「使わなくなったものを新しいものに変える”リサイクル”って、地球にやさしいね」
【2026年最新】レアアース問題、日本はどうする? 海底に眠る “未来の資源”【親子で学ぶ 科学の話】
「世界で初めてのことに挑戦するって、ワクワクするね。失敗してもまた挑戦することが大事だと思う?」
ニュースの向こうには、たくさんの人が知恵を絞り、技術を磨き、未来のために挑戦しています。そんな姿を、親子で一緒に応援してみるのもいいですね。

***
深海6000メートルに眠るレアアース。世界の国々が協力し合う動き。ゴミから宝を生み出すリサイクル技術。

レアアースをめぐる物語は、まだ始まったばかりです。日本の探査船「ちきゅう」が、どんな成果を持ち帰るのか——それは、私たちの未来を少し明るくしてくれるかもしれません。

小さなスマホの中にも、遠い海の底の物語が詰まっている。そう思うと、世界がもっと身近に感じられませんか?

(参考)
*1 Yahoo!ニュース|中国の対日レアアース輸出規制― 経済安全保障の構造的脆弱性とサプライチェーン再構築の課題
*2 海洋研究開発機構(JAMSTEC)|南鳥島EEZ海域でのレアアース泥採鉱システム接続試験の実施について
*3 MBSニュース|2026年は”国産レアアース元年”に!?世紀の大発見から十余年…「レアアース泥」いよいよ試験採掘へ
*4 日本経済新聞|南鳥島沖のレアアース試掘、探査船出航が12日に延期 気象の影響
*5 第一生命経済研究所|レアアースの中国依存脱却に世界は結託へ
*6 環境省|【SDGsライフのヒント】アフターメダルプロジェクト

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