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叱ってもニコニコ……どうして? 『投げる・引っ張る』理由と、今日からできる関わり方を保育士が解説

叱ってもニコニコ……どうして? 『投げる・引っ張る』理由と、今日からできる関わり方を保育士が解説

度々起こる、子どもの乱暴な行動。物を投げる・髪を引っ張るといった様子に「叱ってもニコニコ笑って全く聞かない」と戸惑った経験はありませんか?

1〜2歳ごろに見られる、投げたり引っ張ったりする乱暴な行動。今までそのようなことはなかったのに”突然はじまった”というご家庭も多く、子育ての大きな悩みのひとつとしてママやパパに降りかかります。

怒ってもニコッと笑って続けてしまう、注意してもまったくやめない——。そのような様子だと、親としては「これで大丈夫?」「どう伝えたらいいの?」と戸惑ってしまいますよね。


叱ってもニコニコ……どうして? 『投げる・引っ張る』理由と、今日からできる関わり方を保育士が解説
ママからの相談

今月末に2歳になる息子のことで相談です。上には3歳離れたお姉ちゃんがいます。自分の思い通りにならないと物を投げたり、取り合いで負けるとお姉ちゃんの髪を引っ張ってしまうことがあります。
叱ってもニコーっと笑って全く聞かず、物を投げ続けることもあります。(中略)上の子にはなかった反応なので、どう対応したらいいのかお手上げ状態です。叱られていることをどうしたらわかってもらえるのでしょうか?。(1歳男の子ママ)


今回は、このようなお悩みが届きました。なぜ1~2歳児は物を投げたり、人を叩いたりするのか、その理由や対応について解説していきます。


ライタープロフィール

叱ってもニコニコ……どうして? 『投げる・引っ張る』理由と、今日からできる関わり方を保育士が解説

山本あやか

保育士

児童学科で4年間学び、保育士資格や幼稚園教諭一種免許を取得。保育士として約10年勤務。現在、小学生2人を育てながら「働きながら子育てする大変さ」と対峙中。
ワーキングマザーが安心して子どもを預けられるよう、さまざまな情報を発信します。

なぜ1〜2歳は物を投げたり人を叩いたりするの?


1〜2歳は、気持ちがそのまま行動に出やすい時期です。感情を抑える力や言葉で伝える力がまだ未熟なため、気持ちを行動で表現してしまうのです。たとえば、怒りや悔しさ、興奮などなど…。このような行動は、発達上とても自然な行動です。

おもちゃを投げる
  • 大切なおもちゃを取られて悔しかった
  • お気に入りのものが手に入らなかった
  • おしまいと言われて納得がいかなかった
  • 投げたら音が鳴っておもしろかった

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保育士からのポイント

そのような「怒り」「悔しさ」のほかにも、ボールを投げたら「上手!」とみんなから褒められた経験から「見て!すごいでしょ!」という気持ちでおもちゃを投げることもあります。

お友だちを叩く
  • 遊びを邪魔されて腹が立った
  • 順番を抜かされてイヤな気持ちだった
  • 自分の大切な人を取られて悔しかった
  • 自分がいた場所を横取りされてイライラした

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保育士からのポイント

そのほか、体を押したり髪を引っ張ったり。ときに、つねったり噛んだりすることも。
1~2歳ごろの子どもは、まだ自分と相手の区別が曖昧です。そのため、相手の気持ちを想像することができず、思うままに衝動的に動いてしまいます。


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今回のお子さんに見える「3つのキーサイン」


今回ご相談いただいたお子さんのケースには、注目すべき3つのポイントがあります。

① 乱暴な行動は「気持ちの言語化」ができないだけ
おもちゃの取り合いで負けたときや、気に入らないことがあるときに、髪を引っ張るなどの乱暴な行動が見られるとのこと。これは、3歳という年の差で敵わない姉に向けての「言葉の代わりとなる行動」とみられます。
言葉の発達が追いついていないため、どうしても体で伝えるしかない、この時期特有の行動といえます。「僕が先に使っていたのに勝手に取った」「貸してって言っているのに貸してくれない」など、不満を言葉にできるようになれば状況が変わると考えられます。

② “ニコッ”は理解不足ではなく「混乱のサイン」
叱られても笑って同じ行動を続けることについては、いくつかの理由が考えられます。



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笑顔の背景にあるもの

  • 緊張や不安をごまかそうとしている
  • 反応してもらうことに対して喜んでいる
  • 叱られている状況を直視したくない

今回のケースも、叱られていることが「わかっていない」ではなく、どうしたらいいか分からず”とりあえず繰り返してしまっているだけ”なのかもしれません。自分を守るために笑ってしまったり、叱られていると分かっていても行動を止められなかったり……。まだ幼い心から出る、精一杯の反応であるといえるでしょう。

③ 上の子とのやり取りが”社会性の学びの最前線”
上の子が叱られている様子を見て固まっている姿があると考えると、やはり「悪いこと」「叱られること」については理解できているようです。そしてこれからも、姉弟でのやりとりを重ねていくうちに、順番・共有・主張の仕方など社会性を学んでいきます。
今は「物を投げるから集団生活が心配」「叱っても笑っていてまったく響いていない」と不安に思うかもしれませんが、すべてこの年齢で”実験”しながら覚えていくことですので過度な焦りは不要です。

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親ができること(実践しやすい4つの方法)


ここからは、同じようなシーンになったときに親ができることについてご紹介していきます。“今日からできること” に絞り込みましたので、ぜひ実践してみてくださいね。


① まずは「止める」が優先(言葉より行動で)
ある程度大きくなれば「姉弟の些細なケンカだろう」と、口や手を出さず経過を見守ることも大切です。しかし、この時期の子どもは力加減ができません。衝動的に危険なものを投げて大けがすることも考えられるため、まずは行動を止めることを優先したいですね。そのときは「ダメ!」の言葉より先に、安全確保を最優先におこないましょう。


叱ってもニコニコ……どうして? 『投げる・引っ張る』理由と、今日からできる関わり方を保育士が解説
保育園でも実践する例

・ケンカしている2人の間に座る
・怒った顔でゆっくり手を押さえる
・低い声で短く注意する
・違う部屋に誘導してその場を離れる

② 行動を言語化して代弁する
言葉の発達を促すため、そして言葉にできずモヤモヤした思いに共感するため、親が言語化してあげることも大切です。子どもの代わりに気持ちを言葉にすることで、落ち着きやすくなります。事実を確認するときは「うん」「ううん」で答えられるように、クローズドクエスチョンで問いかけるのがポイントです。
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保育園でも実践する例

・「おもちゃ取られてイヤだったのかな?」
・「まだ使っていたし貸したくなかったんだね?」
・「投げちゃダメって本当は分かっていたんだよね?」

③ “投げたい”気持ちには代わりの出口をつくる
1~2歳であれば、まだ投げて良いものとダメなものの違いが明確ではありません。
「物を投げたらおもしろい音がした」「物を投げたらみんなが驚いてくれた」など、反応を繰り返し試そうとすることもあるため、物を投げたい気持ちを代わりの行動で満たすことも必要です。


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保育園でも実践する例

・投げて傷ついたものは両手でなでて大切に扱う姿を見せる
・投げてほしくないものは床に並べて電車のようにつなげる
・ボールや的当てなど投げていいものへ誘導する

④ 上の子には”我慢させすぎない”
姉弟のケンカになると、理不尽な行動に迷惑するのはいつも上の子というケースが多いもの。理解してくれるからこそ後回しにしたり、下の子が納得しないからと我慢させたり……。そのような状況が繰り返されないよう「上の子を必ず守る」と線引きをしてあげることも大切です。


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保育園でも実践する例

・一度おもちゃを預かり公平に管理する
・下の子の対応のあとに必ずケアをする
・いっしょにどうしたらいいか考える


***
子どもの大切な成長過程であるとはいえ、気に入らないことがある度に物を投げられたり、叱ってもヘラヘラ笑ったりしている姿を見ると、冷静ではいられないもの。さらに子どもたちの年齢が近いとケンカの頻度も多く、その声を聞くだけで消耗してしまいますよね。

叱っても笑って繰り返す行動にイラッとするのは、当然の反応です。そして、集団生活になったときにうまくやっていけるのか不安になるのも当たり前。
ただ、過剰に反応しすぎたり、イライラしすぎたりしていると、生活に支障が出てしまいます。ときに、言わなくてもいいことを言ってしまうなど、悪循環が止まらなくなることも。


そのようなときは…

  • トイレに逃げ込んで深呼吸したり
  • 温かいお茶を飲んで目をつむったり
  • 心を回復できる時間を持てるよう意識してみてくださいね

1~2歳ごろの子どもには“まだ伝わらなくて当たり前”。上の子と比べず、その子の発達のペースを見ることができるように肩の力を抜いていきましょう。

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