東大生の96%が「親は話を聞いてくれた」と回答。学力を伸ばす家庭の “たった1つの習慣” とは?
「うちの子、全然話を聞いてくれなくて…」「宿題しなさいって何度言っても動かない」
子どもとの日々のやりとりで、つい一方的に指示を出してしまう。忙しい毎日のなかで、子どもの話にじっくり耳を傾ける余裕なんてない――そう感じていませんか?
でも、東大生を対象にしたあるアンケートで、興味深い結果が出ています。EQWELチャイルドアカデミー主席研究員・浦谷裕樹先生のインタビューをもとに、子どもの学力を伸ばす親の接し方について解説します。
東大生の96%が「親は話をよく聞いてくれた」と回答
子ども自身が「認めてもらえた」と実感していた東大生に「子ども時代、親はどう接してくれたか?」を尋ねたところ、なんと96%が「親は自分の話をよく聞いてくれた」と答えました。
注目すべきは、これは親ではなく東大生自身が答えたアンケートだということ。
親が自分をよく見せようとしたわけではなく、子ども自身が「親に認めてもらえた」と感じていた――この事実が重要なのです。
一見、「話を聞く」ことと学力は関係なさそうに思えます。でもじつは、深い関連があります。
学力の土台は「EQ(心の知能指数)」
EQが高いと学力がさらに伸びるそれが、「EQ(心の知能指数)」です。EQとは、自己肯定感、忍耐力、やり抜く力、自制心、協調性、共感力など、いわゆる「非認知能力」のこと。知能テストで測定できるIQに対して、測定法がない「心の力」を指します。
ノーベル経済学賞受賞者のジェームズ・ヘックマン博士(シカゴ大学)は、2000年に発表した研究で、幼児教育を受けた子どもたちを40年間追跡調査しました。すると、幼児教育によって一時的にIQは上がったものの、8歳時点ではIQの差は消えていました。
しかし、将来的な学力、年収、持ち家率の高さにつながったのは、EQの高さだったのです。つまり、学力を伸ばす「土台」がEQ。
そして、このEQを育むカギが、親が子どもの話をよく聞き、存在を認めることにあります。
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親が「認める」ことで子どもは安心できる
安心感こそが、心と才能を育む基盤親が子どもの話をよく聞く。それは、子どもの存在を認めることにほかなりません。子どもは親に認めてもらうことで「安心感」を得ます。
「自分はここにいていいんだ」「親は自分の味方だ」――この安心感こそが、子どもの心と才能を育む基盤になるのです。
これは大人でも同じではないでしょうか。新入社員が新しい会社ではじめて出勤するとき、誰もがドキドキするもの。そんな心理状態では、本来の力を発揮できません。
でも、上司や先輩に仕事ぶりを認められ褒められれば、「自分はここにいていいんだ」と思えるようになる。
そして、より自分らしく仕事ができるようになり、持っている能力を発揮できます。
子どもも同じ。親に認められ安心してはじめて、持っている能力を発揮できるのです。
今日からできる3つの実践方法
では、どう「認める」「話を聞く」を実践すればいいのでしょうか?
1. ほめる前に「認める」→ 存在そのものを受け止める
結果ではなく、存在そのものを受け止めることが大切です。「頑張ったね」の前に、まず「話してくれてありがとう」と伝えます。子どもが自分の気持ちを表現したこと自体を認めてあげましょう。
親に丸ごと受け止めてもらえることで、子どもは「自分はここにいていい存在なんだ」という安心感を得られます。この安心感が、子どものあらゆる力を伸ばしていく土台になります。
- 子どもが話しかけてきたら、手を止めて目を合わせる:スマホを見ながら「うんうん」ではなく、しっかり向き合う
- 「話してくれてありがとう」と伝える:結果や内容の前に、話してくれたこと自体を認める
- 子どもの言葉を繰り返す:「今日ね、○○があったの」→「そうなんだ、○○があったんだね」
「頭がいいね」「天才だね」といった能力をほめる言葉より、「よく頑張ったね」「最後までやり抜いたね」と努力をほめる言葉のほうが、子どものEQを伸ばします。
心理学の実験では、能力をほめられた子どもは、難しい問題で失敗したあと「自分には能力がない」と考えてやる気を失いました。
一方、努力を褒められた子どもは「努力が足りなかっただけだ」と考え、さらに頑張るようになったのです。やり抜く力やチャレンジ精神といったEQの伸びに、ほめ方の違いが大きく影響します。
「頭がいいね」「天才だね」:能力をほめる言葉は避ける
「よく頑張ったね」「最後までやり抜いたね」:努力やプロセスをほめる
- 具体的にほめる:「ここの部分、工夫したね」「諦めずに続けたね」
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3. 叱るときは「1分以内」で→ 冷静に教え諭すチャンス
子どもが約束を破った、他人を傷つけたといった問題を起こした場合には、きちんと叱る必要があります。でも、長時間のお説教は逆効果。子どもは途中からなぜ叱られているのかすらわからなくなってしまいます。
意識してほしいのは、そういう場面を「子どもを教え諭すチャンス」だととらえること。感情的に「怒る」のではなく、冷静に「教え諭す」のです。
1分以内という短い時間で、起こしてしまった問題への対処法を伝えましょう。感情的になりそうなときは、一度その場を離れることも有効です。
- 1分以内で簡潔に伝える:長時間のお説教は子どもの記憶に残らない
- 感情的になりそうなら、その場を離れる:「ちょっと待ってね」と一呼吸置く
- 「ま、いいか」「そういうこともあるよね」と口にする:理性にスイッチを入れる魔法の言葉
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FAQ:子どもの学力と親の接し方に関するよくある質問
Q1. 仕事で忙しくて、子どもの話をゆっくり聞く時間がありませんA. 時間の長さより、質が大切です。1日10分でも、スマホを置いて子どもと向き合う時間をつくりましょう。
寝る前の絵本タイムや、一緒にお風呂に入る時間など、習慣化すると続けやすくなります。
Q2. 努力をほめるといっても、結果が出ないときはどうすればいいですか?
A. 結果ではなく、プロセスをほめることが大切です。「ここまで諦めずに続けたね」「この部分は前より上手になったね」と、具体的な変化や頑張りを認めてあげましょう。
Q3. うちの子はもう小学生ですが、いまからでも間に合いますか?
A. EQは何歳からでも伸ばすことができます。幼児期が重要とはいえ、小学生でも中学生でも、親の接し方次第でEQは育ちます。今日から始めても遅くありません。
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親が子どもの話をよく聞き、存在を認めることで、EQという「学力の土台」が育ちます。東大生の96%が実感していた親の接し方――それは特別なことではなく、日々の「認める」姿勢の積み重ねだったのです。
明日から、いえ、今日から。子どもが話しかけてきたとき、手を止めて目を合わせて、その言葉に耳を傾けてみませんか。その小さな積み重ねが、子どもの心を育て、未来を輝かせる第一歩になるはずです。(参考)
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