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【中学受験】6年生になったらうちの子も本気出すはず…その期待、裏切られます!新6年生が良い1年をスタートするための秘訣とは?

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新6年生の親御さんへのアドバイス

【中学受験】6年生になったらうちの子も本気出すはず…その期待、裏切られます!新6年生が良い1年をスタートするための秘訣とは?


こんにちは。中学受験専門塾 伸学会代表の菊池です。

いよいよ年の瀬です。

2月1日までついに残り1ヶ月を切りましたね。

6年生の子にとって、この1ヶ月はこれまでの人生で最も努力し、最も成長する時間となることでしょう。

日々様々な自己ベストを更新していきます。

この時期は親御さんの方がむしろ本人以上に浮足立ってしまうご家庭が多いのですが、子どもを信じて見守ってあげてください。

親御さんの平常心が子どもの安心につながり、成長を後押ししますよ。


そして、この時期は6年生の親御さんだけではなく、次の世代である5年生の親御さんもソワソワしてしまうのではないでしょうか。

いよいよ受験学年!と思うと緊張してきてしまいますよね。

そこで、今回の記事では新小6となる親御さんたちに向けて、良いスタートを切るための秘訣をお伝えします。

これを知らないと親子で認識のズレができて、親子ゲンカに発展しがちなので、よく読んで注意しておいてくださいね。

親子で発生しがちなズレとは


まず最初にハッキリお伝えしておきたいのは、新小6の子が100人いたら、そのうちの80~90人くらいは「いよいよ受験学年だ!」と気合が入る……ことは無いということです。

大半の子は5年生の頃とほとんど変わりません。

身長が緩やかに伸びていくのと同じように、勉強への取り組みも日々緩やかに成長していきます。

逆に言えば、新6年生がスタートしたからといって、そこでガラリと行動がかわるようなことは無いのです。


一方で、多くの親御さんは、新学年のスタートのタイミングで、受験生としての自覚を持ち、積極的に勉強をするように変わることを期待します。

その期待と現実のギャップを目にすると、期待を裏切られたかのような気になり、イライラしてしまうようです。

それは子どもからすると「親が勝手に想像する理想の受験生像と比較され、イライラされる」という状況です。

なかなかに辛そうな状況だと思いませんか?

「子育てをする上で、他の子と比較するのは良くないことだ」というのは多くの親御さんがご存じで、しないように気を付けてらっしゃいますよね。であれば、実在する他の子どころか、実在するかどうかすら怪しい理想の受験生と比較して、わが子はあれが足りないこれが足りないと考えるのもやめた方が良いでしょう。

では、親としてこの時期にするべきこととは何でしょうか?

まずは子どもの時間感覚を理解すること


大人になってから、「1年がたつのが早くなったな」と感じたことはありませんか?

多くの方が、時間感覚の違いを実感されているのではないかと思います。

フランスの哲学者ポール・ジャネによると、時間の感覚は年齢に反比例するそうです。

つまり、10歳の子が感じる1年の長さは、40歳の大人にとっての1年の長さの4倍に感じられるということです。


確かにそれくらいの感覚的な違いがありそうですね。

そう考えたとき、あなたには4年後に向けて今全力で頑張っていることは何があるでしょうか?

私にはありません!

4年後にこうなっていたら良いなという目標はありますが、そこに向けて今遊びたいのも我慢して仕事や勉強に専念したりはしていません。

普通にオフの日には妻とデートに行きますし、2人でゴロゴロしながら動画を見たりもしています。

4年どころか、1年後の目標に向けても、全力で頑張ることなど私にはできません。

例えば本の執筆にしても、〆切が数ヶ月先だとまだまだ余裕があるためのんびりしてしまっています。

残り数週間くらいになって、ようやく慌てだします。

〆切まで残り数日となると、ものすごい集中力を発揮します!

大人の自分ですらそんなものです。

ですから、子どもが1年後の受験に向けて全力で勉強しないなんて当たり前だと私は思っています。


あなたはどうでしょうか?

仕事で必要な資格を取るために勉強しなければいけないとなったら、いつから本気を出しますか?

仕事で大事なプロジェクトを任されたとしたら、どれくらい前から全力で頑張るでしょうか?

それを想像してみて、その数字を4分の1にしてみてください。

あなたがもし「私は半年前くらいから頑張りそう」と思ったら、「子どもは1月半前くらいからかな」と思っておくのが良いでしょう。

追い込まれて出す本気に期待してはいけない


ここまでお伝えしてきたように、子どもの時間感覚は私たち大人と圧倒的に違います。「残り時間が少ない」と感じるのは12月くらいになってからという子が多いです。

お尻に火がついて本気を出すことを期待していたら、それくらい遅くなってしまうのです。

ですが考えてみたら当たり前のことです。

ウルトラマンがスペシウム光線を出すのはいつですか?

戦隊ヒーローが合体ロボットを出すのは?

物語の序盤から必殺技を繰り出すヒーローなどいないのです。

あなたのご家庭のヒーロー・ヒロインも同じです。


では、追い込まれて出す本気に期待しないのならば、どうすれば良いのでしょうか?

それはもちろん、楽しいから自ずとやってしまう環境を作るしかありません。

あらためて、この基本に立ち返りましょう。

これまで何度もお伝えしてきたことですが、中学受験は合格の席の奪い合いです。

他の子を追い抜かなければ、合格の席は獲れません。

他の子を追い抜くためには、人並み以上の努力が必要です。

そして、怒られながら嫌々やっていたら、人並み外れた努力などできません。

あなたのお子さんの成績を上げていくには、いかに勉強を楽しくするかを考えて試行錯誤していくしかないのです。

新年のこのタイミングで再度そのことを確認し、今年一年のお子さんとの関わり方を心に決めていただければと思います。


明るい気持ちで2026年を迎えられるように、これからの一年頑張ってくださいね。

あなたとお子さんが良い一年を過ごせることを願い、応援しています。

それでは。

※中学受験ナビの連載『親子のノリノリ試行錯誤で、子供は伸びる』の記事を、マイナビ子育て編集部が再編集のうえで掲載しています。元の記事はコチラ。
https://katekyo.mynavi.jp/juken

【中学受験】6年生になったらうちの子も本気出すはず…その期待、裏切られます!新6年生が良い1年をスタートするための秘訣とは?
菊池洋匡中学受験専門塾 伸学会代表。開成中学・高校・慶應義塾大学法学部法律学科を卒業。算数オリンピック銀メダリスト。
著書に『小学生の勉強は習慣が9割 自分から机に向かえる子になる科学的に正しいメソッド』(SBクリエイティブ)『「やる気」を科学的に分析してわかった 小学生の子が勉強にハマる方法』(秦一生氏との共著、実務教育出版)『「記憶」を科学的に分析してわかった 小学生の子の成績に最短で直結する勉強法』(実務教育出版)。伸学会HP:https://www.singakukai.com/→記事一覧へ

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