「子どもの目の紫外線対策は、早ければ早いほうがいい」眼科医が警鐘を鳴らす理由
紫外線が目に与える影響とは?
まず始めに紹介されたのは、紫外線の現状についてです。
さいたま市伊藤医院 眼科医の有田玲子先生(医学博士)
下のグラフは、茨城県つくば市の地表に到達する紫外線量の経年変化を表したグラフで、青い丸は紫外線の人体への影響を1~11+で指標化した「UVインデックス」が8以上の日を示しています。
これを見ると、右肩上がりで紫外線量が増えており、そのなかでも2023年はUVインデックス8以上の日が80日もあったことがわかります。
つくばの日最大UVインデックスが8以上の年積算日数の経年変化(投影資料より抜粋)
このグラフに対し有田先生は、「環境省からは、UVインデックス3以上で日差しを避け、UVインデックス8以上で外出を控えるよう通達が出ています。目に関しても、UVインデックス3以上で目が日焼けをしてしまい、UVインデックス8以上で目がやけどする状態になってしまいます。紫外線の影響は目にとって非常に深刻です」と、目の健康について警鐘を鳴らしました。
サングラスの有無で、目の健康に違いは出る?
紫外線対策というと、日焼け止め、帽子、UVカット機能のある洋服、日傘などが一般的ですが、有田先生によると目への紫外線対策ではサングラスが有効だそう。
「紫外線対策としてのサングラスは、紫外線を99%カットできて非常に有効です。帽子や洋服、日傘では目への対策は十分でなく、だいたい50%くらいと思われます」(有田先生)
紫外線が目に与える影響としては、「白内障」「ドライアイ」「結膜炎」「角膜炎」「翼状片」(よくじょうへん)のほか、日本での失明の原因第2位とされている「加齢黄斑変性症」(かれいおうはんへんせいしょう)などが挙げられるとのこと。
「10年後、20年後に『紫外線対策をしていた群』と『紫外線対策をしていなかった群』とを比較した研究によると、大人になってから白内障になるリスクが約2倍違うという報告もあります。こうしたリスクから将来の視力を守るには、サングラスでの対策が非常に重要になります」(有田先生)

紫外線は目にさまざまなリスクを引き起こす(投影資料より抜粋)
ここまで聞いていると、自分の目はもちろん、子どもの目の健康も気になります。
親として、子どもへの目の紫外線対策はどうしたらいいのでしょうか?
子どもの目の紫外線対策はいつから始めるべき?
有田先生は、「子どもの目の紫外線対策は、早ければ早いほうがいい」