50年後のポテトチップスは「夜のひととき味」「宇宙DX味」が発売されるかも!? 子どもたちの考えたアイデアが斬新すぎて脱帽!
カルビー×アドビがタッグを組んだデザインワークショップ
パリッとした食感と軽い歯ざわりで大人気のお菓子、カルビーのポテトチップス。1975年の発売から今年で50周年を迎えたことを記念し、11月29日に親子向けワークショップ「“子どもと一緒にタイムトラベル!”生成AIでデザインする50年後のカルビーポテトチップス」が開催されました。
タッグを組んだのは、クリエイティブソフト市場でトップシェアを誇るアドビ。生成AIを搭載したデザインアプリ「Adobe Express(アドビ エクスプレス)」を使用し、「50年後の未来に流行するポテトチップスの味を想像し、パッケージをデザインする」という、ユニークな内容です。
当日は約40名の親子が招待され、子どもたちは自由な発想力でさまざまなデザインを考案しました。
会場は、東京・大手町のカルビー本社
デザイナー北沢直樹さんによる「練習」からスタート
カルビー・アドビの両社からのあいさつのあと、早速ワークショップがスタート。講師を務めるのは、人気キャラクターデザイナーの北沢直樹さんです。北沢さんの軽快なトークとともに、まずはAdobe Expressの使い方に慣れるため、40分ほど練習が行われました。
黄色い帽子がトレードマークのキャラクターデザイナー・北沢直樹さん
日ごろからタブレットやPCを使い慣れている小学生の子どもたちは、戸惑うこともなくスイスイと手を動かし、見事に課題をクリアしていきます。
「デザインの参考に」と配布されたポテトチップスを食べながらでもOKということで、練習中に早速平らげてしまう子も(笑)。電子機器を汚さないようにと、ウェットティッシュも用意されているあたりが、カルビーならではの心遣いだなと感じました。
いざ本番! 「50年後の未来」を想像してパッケージをデザイン
続いて、ポテトチップスのブランドマネージャー・井上真里さんより、ポテトチップス50年の歴史やパッケージデザインの変遷についてのお話がありました。子どもたちはポテトチップスへの理解を深め、準備は万端! いよいよ本番のデザインタイムに入ります。
決められたデザインに仕上げる練習とは違い、本番はテーマもカラーリングもすべて自由。
今回、デザインに使用する画像は生成AIに作ってもらうのですが、自分のイメージに近い画像にするために北沢さんからアドバイスが。大切なのは「生成AIに適切なキーワード(プロンプト)を指示すること」で、プロンプトが少し違うだけでまったく別の画像に仕上がってしまうのだそう。
どういうキーワードでどういう画像ができるか、北沢さんがサンプルを交えて解説
だからこそ、「かわいい」「おしゃれ」「おもしろい」など具体的な指示を出して、生成AIにわかりやすく伝えることが欠かせないんですね。
ほかにも「味から決めるとキャラクターが作りやすい」「みんな今は小学生だから、60才くらいのときにありそうな味だよ!」など、北沢さんから次々とアイデアのタネが投げかけられます。
その言葉に触発されて、「こんな味があったらおもしろいかも」「いちばんおいしそうに見えるデザインは?」「音楽から味を考えるのはどう? ジャズ味とか、童謡、映画音楽……」など、親子で楽しそうに相談する会話があちこちから聞こえてきます。
タブレット画面上には「激辛ホラー味」や「夜のひととき味」など斬新すぎるネーミングも見られ、いったいどんな仕上がりになるのか期待が膨らみます。
ありそうでなかった、オレンジ味のポテトチップスを考えていた子も
発表タイム! どんな味とデザインに仕上がった?
休憩を兼ねたポテトチップスにまつわるスペシャルクイズ大会を挟み、いよいよ子どもたちが作りあげたデザインの発表の時がやってきました。
低学年のお子さんから順番に前に出て、デザインコンセプトや工夫したところなどを大きな声でみんなに伝えます。
例の「夜のひととき味」をデザインした男の子(下記写真の左から2番目)は、「一日働いて疲れた身体を癒すような、リラックスムード漂うパッケージにしました」と堂々とプレゼン。さらには「50年後の未来はさらに食料不足が深刻になっていると考え、食用として使われそうなカエルをデザインに取り入れた」とのこと! 低学年とは思えないほどしっかりした意見に、思わずうなってしまいます。
写真左から、冷え冷えアイス味、夜のひととき味、辛辛唐辛子味、フルーツ・チョコレート味、マグマ味
ほかにも「古代の海」や「星屑」をイメージしたり、住んでいる地域の郷土料理「味噌ポテト」からフレーバーを考案したり、はたまたポテトチップス一枚一枚の味が異なる=「五味(ごみ)ポテトチップス」という秀逸なネーミングが生まれたり……。
写真左から、星屑味、古代の海味、空飛ぶ可愛いトマト味、食べた枚数で味が変わる味!?、味噌ポテト味
写真左から、深海焼き肉味、火星栽培のサラダ味、激辛溶岩味、イマジネーションヘアカラー味、五味味
写真左から、まぐろのだし味、ラブレモン味、宇宙DX味、スーパーラー油味
大人ではなかなか思いつかない、子どもたちの無限のクリエイティブ力に、感心しきりのひとときとなりました!
世代を越えて親子で愛される「ポテトチップス」だから対話が生まれる!
ワークショップ終了後、アドビの広報担当部長、吉原さんにお話を伺いました。
「このイベントは、弊社の“Creativity for All/すべての人に『つくる力』を”の理念に基づき、日本全国で行っているワークショップの一環です。
今回は、特に親子のコミュニケーションに焦点を当てました。それで題材として、親と子のどちらの世代も知っている国民的なお菓子として、カルビーさんのポテトチップスを思いつきました。
私自身も幼少期をふり返ると『コンソメ味はクリーム色で、フレンチドレッシングは白に緑』など、ポテトチップスの味とパッケージデザインが強く結びついていたことを覚えています。親子世代で同じポテトチップスについてクリエイティブを通じて対話する中で、ワクワク感が生まれることを期待しました」(吉原さん)
世代を超えて多くのお客さまに“楽しさ”と“おいしさ”を届ける――というカルビーの理念と、「すべての人に『つくる力』を」というアドビのミッションのコラボから生まれたイベント。
たくさんの親子の笑顔が見られた、素敵な時間になりました!
カルビー
https://www.calbee.co.jp/
アドビ
https://www.adobe.com/jp/
(取材・文:田中亜紀子)