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子どもの発達が気になったときに取り組みたい「親子で楽しめる」こととは?専門家「時間や効果は気にしすぎないで」

マイナビ子育て
※アスレティックトレーナー…主としてスポーツ選手がケガをした際の応急処置やケガの予防、リハビリ、健康管理をサポートする専門職。

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まずは少しでもやってみること。時間や効果は気にしすぎない!

子どもの発達が気になったときに取り組みたい「親子で楽しめる」こととは?専門家「時間や効果は気にしすぎないで」


池上先生(以下、池上)運動は頻度も大切ですが、無理をしてまで毎日取り組む必要はありません。それよりも期間を決めて継続すること。目安として、1カ月ごとの変化を見ながら、3カ月は様子を見ましょうとお伝えしています。

――継続することで、具体的にどんな変化があるのでしょうか。

池上身長の伸びと一緒で、運動による変化の現れ方にも個人差があります。急に伸びる子もいれば、階段状に伸びる子も。実際に変化は起きてはいるけど、目に見えるタイミングが違うこともあります。
なので、3カ月という大枠で見てください。変化を感じられないと焦ってしまうかもしれませんが、継続期間も大事。変化が見えないから運動の頻度を上げる、という保護者もよくいます。でも頻度を上げて結果を急ぐより、週に1回でも定期的に運動の機会を持つことが重要です。

――レッスンを受ける子どもの中には、最初は全然やりたがらない子もいるのでは?

池上そういうときは、短期目標を決めます。必ずレッスンには参加してもらって、全部できなくてもいいので1個のメニューだけ、今日はここだけやってみよう、とか。極端な場合は30分のレッスンであっても3~4分しかやりません。でも、これでいいんです。
少しでもまずはやれたこと、「ここまでできたね」ということをしっかり伝えるようにしています。すると本人は認められたように思ってくれる。楽しさも感じてくれるので、徐々にそれを増やしていくように進めています。

子どもを「ほめる」ことでやる気を引き出す!

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――運動による改善を目指すにはある程度の期間が必要とのことですが、運動を継続するために大切なことは何でしょうか?

池上運動の継続には、やりがいを感じることが必要です。それを感じやすくしてくれるのが「ほめられる」こと。ほめられると、自分からまたやってみようという気持ちになりやすく、子どものやる気を引き出すことができます。――ほめ方のコツはありますか。

池上「前後比較」がおすすめです。
「前はこうだったけど、今日はここまでやれたね」、「前はゴールできなかったけど、今日はゴールできたね」など。あとは具体的によかったところを伝えることですね。「今日はちゃんと足を上げられるようになったね」とか、「バランスも落ち着いてできるようになったね」とか。

――そういった声かけをされると、子どももこちらがよく見ていることを実感してくれそうですね。

池上そうですね。子どもは親に見られているとうれしいもの。自信も意欲も、安心できる環境や人の中で育ちます。「見てもらえている」というのは大きな安心材料です。

また、伝えるときの表情も大事。わざとらしく大げさにほめても子どもはすぐ見透かしてしまうので、自然な表情でほめるといいですね。大人もシンプルに自分らしくいてください。サムズアップでグッドなど、ジェスチャーを添えてあげるとより伝わりやすいです。

親子で運動を楽しむためのポイントは?

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――運動を親子で楽しむコツはありますか?

池上一番のポイントはサポートする側の大人の余裕です。楽しさを共有することも、余裕がないとできません。大人だって運動に限らず、時間がなくて余裕がない日は気持ちが焦ったり、物事がうまく進まなかったりしますよね。ご家庭やお仕事のスケジュールに合わせて、やれる範囲で。
まずは気軽にやってみてもらえたらと思います。

――ちょっとの時間でもいいわけですね。

池上はい。あとはその日ごとに柔軟に取り組むことも大切です。金曜日に家で少し運動をしたら、土日は外で遊ぶ運動をしてみようとか。「同じ日に全部やる」でなくてもいいんです。そのうえで、終わった後にお互いに「お疲れさま」とか、ハイタッチして「やったね」とか、そういった形で“やりきった感”を出すと、親子で楽しく取り組めると思いますよ。

――やりきった、楽しめた、という気持ちで終わることが大切なのですね。


池上子どもは日によって気分も変わるので、うまく進まないこともあるでしょう。それはそれで、焦らず客観的に見てあげてください。「あ、今日の気分はこうなんだね」くらいで。ひとつは何かやれたことがあって、それでOKにしてもらえれば。「やりきった」と「楽しく終わる」。その2つがポイントです。

――大人にも一緒に運動するメリットはありますか?

池上保護者も一緒に運動することで、スッキリ感はあると思います。鬼ごっこで走るのもいいですね。
デスクワークの方も多いと思うので、ちょっとでも外で足を動かしたり、立って動いたりするのはメリットがあります。毎日の散歩のように体を動かす習慣ができれば、ストレス発散にもなりますよ。

――たしかに!私もデスクワークなので運動不足を解消したいです。

池上ちょっと動くだけでも、体にも心にもいい影響があると思うので、ぜひ一緒にやってみてください。子どものためと考えると、プレッシャーになりますし……。子どものことばかり考えるあまり自分をないがしろにすることもありますよね。本当は家族全員、少しでも体を動かす運動習慣があるといいです。そのほうが相乗効果で子どもも変わりやすくなりますよ。

――そうですよね。家族みんなで運動できるとよさそうです!

親子で「できた」「楽しい」を共有しながら運動してみて

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――ほかにも子どもの発達が気になっているパパやママへ、アドバイスなどあればお願いします。

池上みなさん、不安や心配を抱えていると思います。「今後の学校生活は大丈夫かな」とか、「もっとできることはないとかな」とか。それは、真摯に子どもに向き合っているから生まれるものだと思います。それ自体が、子どもにも「自分を見てくれているんだ」という優しさや安心感として伝わっているはずです。
体と心はつながっています。今見える言動の奥にある体の状態や使い方を運動で変えられれば、心の成長や変化も見ることができます。そうした視点もひとつのヒントにしていただけたらうれしいです。完璧を目指すのではなく、大人も子どもも「できた」、「楽しい」を共有して気軽に始めてみてください。

(取材・文:佐藤華奈子 編集:マイナビ子育て編集部)

※記事内の画像はイメージです

池上悠先生のプロフィール


理学療法士・アスレティックトレーナー
北里大学卒業後、都内の整形外科クリニックにて幼児から高齢者までの治療・リハビリテーションを経験。病院勤務と並行して、大手フィットネスジムでのパーソナルトレーニング指導や、スポーツチームでのリハビリテーションサポートをおこなう。その後、医療知識とスポーツ知識を活かした整体×パーソナルトレーニングの店舗を2020年に渋谷区に開業。また、都内保育園にて、ケガ予防や身体の土台作りの運動指導レッスンを実施してきた。現在は、発達が気になるお子さんや発達障害の診断があるお子さん、スポーツに励む学生にもパーソナルレッスンをおこなっている。0歳から高齢者まで、累計5000人以上・延べ3万件を超える発育・運動サポート実績がある。

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