弘中綾香さんインタビュー/生後5カ月で娘を保育園へ。「早いね」と言われたときに仲間だと思えた存在
シッターさんにお迎え~寝かしつけをお願いする日も
――2024年4月から仕事復帰されたときのことについてもお聞きしたいです。復帰後の1日のスケジュールはいかがですか?
弘中綾香さん(以下、弘中)基本、朝は夫が保育園に送り、私が夕方に迎えに行きます。私が夜に仕事が入るときもあるので、そんなときはシッターさんにお迎えからごはん、お風呂、20時の寝かしつけまでしてもらっています。ごはんは出社前に作り、お皿に全部乗せて冷蔵庫に入れて、食べる前にレンジで温めるだけの状態に。そのほかの家事は基本、機械を回すだけです。全自動乾燥機つきドラム式洗濯機、食洗機、掃除機……基本、文明に頼っていますね。
――生後5カ月での復帰について報じられたとき「スピード復帰」と書かれることが多いと感じました。
弘中たしかに「早いね」とは言われましたが、それも人それぞれの価値観かなと。
保育園には同じような0歳の子がいたので「仲間がいる」と思えました。周りは早期復帰する私のような考え方のお母さんも多く、お互いに「保育園入れてよかったね。いいよね、保育園!」と共感しあえています。
何を言われても「私は私だから、別にいいじゃん」
――もし、「仕事の復帰、早いね」の一言で傷つくママがいたら、どんなふうに励ましますか?
弘中なんだかんだ私も当時はモヤモヤしていました。「早く復帰したいって思う私が変なのかな?」とか。でも、自分の人生なんだから、「自分がどう思うか、どう生きるか」が一番大事で、人にとやかく言われることでも評価されるものでもないと思うようにしています。立場も環境も人それぞれですし、自分にしかわからないことって沢山あるから。「私は私、人は人」って思うしかない。
言っている側は、たぶん悪気がないので全然覚えていないんですよ。言われた側だけが覚えている。だから受け流すようにしています。
――テレビやこうしたインタビューで自身の考えを発信するとき、その記事についてのコメント欄は読みますか……?
弘中もちろん読みません!そんなふうに、わざわざ自分を傷つけにいくようなことはしないですね。
弘中でも、自分が今の立場じゃなかったら言いたくなっちゃうかもしれない。たとえば自分が私の母と同じ立場だとしたら、必死に2人の子どもを育ててきて「育児を150%がんばった!」という自負がある分、「もっと母親業がんばったら?」と言いたくなる気持ちはわかります。そういう母に育てられて「いつも自分を最優先してくれたお母さんが大好き」だという人も、何か言いたくなるかもしれない。
ただ、それは言わずに自分の心にしまってほしいです(笑)。他人がとやかく言うことではない。
私は気にしないようにしています。だし、自分が子どもだとしたら、お母さんが好きなことをやって機嫌がいいほうがいい。人はみんな自分の育ってきた家庭のあり方しか知らないからそれが普通だと思ってしまうけど、自分自身が笑っていることが、子どもにとっては一番いいのではと思います。
今は日々、社会に生かされている
――エッセイには「母と同じような専業主婦にはなりたくない、と総合職を目指して就職して、偉そうにどうのこうのと前は言っていたけれど、『お前は何を知っとんじゃ!』と過去の自分を叱ってやりたい」とありました。産前産後でどんな価値観の変化がありましたか?
弘中私は出産して初めて「『母親として』、それだけで生きるのが難しい。仕事と育児、両輪じゃないと生きていけない人間だ」と気づきました。
大変ですが、仕事と育児どちらもやりたい!やっていこうと決めたので、いまはバランスを探りながら頑張っているところです。
でも、どちらか一方だけだとしたら……たとえば専業主婦になって100%子ども中心の生活を送る中でのプレッシャーって計り知れないものがあると思います。育児って正解もなければ、明確なゴールもないし、これをやったら報われるというものでもない。想像以上に大変なんだろうなと。
なりたくない、じゃなくて「なれない」でしょ?って感じです。母親というものをナメていたなと。私は仕事に逃げている部分も多少なりともあるので。
――そうした視点と同時に、「明日は我が身」という思いを抱くようになったんですね。
弘中これまで本当にありがたいことに、大きな病気もせず元気に学校に通うことができ、すくすくとここまで育ってきました。社会人になってからも、会社に行きたくないと思うこともなくずっと健やかでした。
そんな中、妊娠出産で心身ともにダメージを食らい、初めていろんな方に助けてもらう立場を経験しました。医療ケアという意味でもですし、産休の保障制度や育児支援など公的な枠組みをたくさん使いました。今まではどちらかというと社会の中では助ける側の人間だと驕(おご)っていたところがあって。でも本当は顔も名前も知らないいろんな方に支えてもらって、社会システムの中で生かされていると。それを、30代で実感するっていう。本当に恥ずかしい限りです(笑)
そんな自戒の念も含めて、この本は「私の成長物語」と位置づけています。
(弘中綾香さんの他のインタビューはこちら)
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人気アナウンサー・弘中綾香さんが妊娠出産について赤裸々に語ったエッセイ。思いがけない妊娠、リアルな出産体験記、そして産後に訪れた壮絶な日々。100%本音で語られた、全ママ共感必至の一冊です。
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弘中綾香さん プロフィール
アナウンサー。1991年生まれ。2013 年テレビ朝日に入社。同年より音楽番組「ミュージックステーション」でサブ MC を担当。主に、バラエティー番組などで活躍。
23年 ORICON NEWS「第20回好きな女性アナウンサーランキング」で、“殿堂入り” を達成。同年第1子女児を出産。著書に『弘中綾香の純度 100%』(マガジンハウス)、『アンクールな人生』(KADOKAWA)がある。
取材・文:早川千春
撮影:松野葉子
ヘア:KIYO IGARASHI
メイク:齋藤佳野
スタイリング:髙野夏季
衣装協力:
chibi jewels JAPAN(chibi jewels)
ZUTTOHOLIC(STASH JEWELLERY)
yoaa(yoaa)
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