【栄養士監修】赤ちゃんの牛乳アレルギー!初めての飲ませ方&いつからOK?飲まないときのコツ
カルシウムやミネラルを効率よく摂取できる牛乳は、離乳食期から赤ちゃんに与えたいものです。しかし、アレルギーの心配があるため、与え方をしっかり確認して少しずつ牛乳に慣らしてあげましょう。
牛乳は乳製品なのでアレルギーに注意
牛乳はアレルギー症状を起こすことが多い食品とされ、卵や小麦と同様、消費者庁が定めるアレルゲンを含む「特定原材料」の7品目に分類されています(※1)。
赤ちゃんに初めて牛乳を与えるときは、必ず加熱して少量ずつ与えます。万が一アレルギー症状が出たときにすぐに小児科を受診できるように、牛乳は午前中の離乳食で与えると良いでしょう。
牛乳アレルギーの主な症状
牛乳アレルギーの人が牛乳を飲んだ場合、30分から2時間程度でアレルギー症状が出るといわれています。牛乳アレルギーの主な症状は以下の通りです。
・肌のかゆみ
・赤み
・じんましん
・呼吸困難
・腹痛
・下痢
・嘔吐など
牛乳を赤ちゃんに与えた後にアレルギーと思われる症状が出た場合は、すぐにかかりつけの小児科を受診してください。
牛乳は乳糖不耐症にも注意
牛乳は、牛乳アレルギーでなくても下痢や腹痛などを起こすことがあります。これは「乳糖不耐症(にゅうとうふたいしょう)」といい、牛乳に含まれる乳糖を上手く小腸で分解できないことが原因で起こるものです。
乳糖不耐症は、牛乳を飲み過ぎたり、牛乳の温度が冷たかったりすると症状が出ることもあります。赤ちゃんに与えるときは、量や温度にも注意しましょう。
初めて赤ちゃんに牛乳を飲ませる際に、与える月齢や手順を誤るとアレルギーが出やすくなるケースがあります。赤ちゃんに安心して牛乳を与えるためにも、飲ませ方を確認しておきましょう。
離乳食中期から加熱調理したものを与える
牛乳は、離乳食中期(モグモグ期)から離乳食に取り入れることができます。牛乳そのものを飲ませるのではなく、ミルク煮やパン粥など食材のひとつとして与えましょう。
初めて牛乳を使うときは、50mL程度のごく少量にしましょう。必ず電子レンジや火にかけて加熱してたものを離乳食に使うようにしてくださいね。
飲料としては1歳以降から飲ませる
厚生労働省が発行する「授乳・離乳の支援ガイド」(※2)によると、牛乳を飲料として与える場合、鉄欠乏性貧血を予防するという観点から1歳過ぎから与えるよう記載があります。1歳より前に牛乳を飲料として与えると、タンパク質やミネラルを過剰に摂取してしまう可能性があることに気を付けましょう。
赤ちゃんが1歳を過ぎたら、そのまま牛乳として飲ませることができます。ただし、初めて飲ませるときは少量の牛乳を加熱して与えます。
牛乳を与える前に乳製品に慣らしておく
母乳やミルクを飲んでいる赤ちゃんにとっては、牛乳の味になじみがなく嫌がることがあります。赤ちゃんが牛乳を嫌がる場合は、まずはヨーグルトを与えて乳製品の味に慣れさせてから牛乳をあげると、飲んでくれるかもしれませんよ。
牛乳と母乳では、含まれている栄養や成分が異なります。たとえば、牛乳はたんぱく質やカルシウムが母乳より多く含まれているのに対し、母乳には乳糖が多く含まれています。これは、牛のほうが身体的な発達が早いことに対し、人間はまず脳の発達が先行されるからといわれています。
牛乳と人では、成長するために必要な栄養が異なるため、それぞれの乳に含まれる栄養も異なるのです。
赤ちゃんに初めて牛乳を与えるときは、50mL程度を目安にします。初めは必ず加熱して与えるようにしましょう。
離乳食の進み具合にもよりますが、赤ちゃんが牛乳に慣れてきたら1日あたり200mL~400mL程度を目安に与えます。毎日の摂取量には、チーズやヨーグルトなどの乳製品も含めて考えましょう。チーズ10gは牛乳100mLに換算して考え、摂取し過ぎないように気を付けたいですね。
また、牛乳を飲ませ過ぎると、それだけで赤ちゃんのお腹が満たされてしまう場合があります。牛乳だけでなく、他の離乳食とのバランスを考えて牛乳を与えるようにしましょう。
栄養満点の牛乳を赤ちゃんや子どもに与えたくても、においや味を嫌がってなかなか飲んでくれない場合があります。
メーカーを変えてみる
赤ちゃんが牛乳を嫌がる場合は、無理に飲ませる必要はありません。しかし、メーカーによって微妙に牛乳の味が違うことがあるため、メーカーを変えてみると赤ちゃんが牛乳を飲むことがあります。いつもは買わないメーカーの牛乳を買ってみると良いかもしれませんね。
赤ちゃんの好みにアレンジしてみる
離乳食の進み具合によっては、牛乳をアレンジして赤ちゃんに飲ませてみると良いかもしれません。1歳を過ぎていれば、風味付け程度に純ココアを混ぜてミルクココアにしたり、イチゴをつぶしてイチゴミルクにしたりしてみましょう。おいしく飲んでくれると良いですね。
牛乳のレシピを試してみる
牛乳そのものを飲むことを嫌がる場合は、料理に牛乳を混ぜてみましょう。
他の乳製品で栄養を補う
離乳食の進み具合によっては、無理に牛乳を飲ませなくてもかまいません。母乳やミルク中心で、いろいろな食材を離乳食に使って栄養を摂りましょう。
チーズやヨーグルトなどの乳製品や小魚でもカルシウムは摂取することができます。赤ちゃんのときは牛乳を嫌がっていたのに、大きくなったら牛乳が好きになることもあるので、焦らずに与えると良いですよ。
牛乳は栄養が豊富といわれていますが、どのような栄養が摂取できるかご存じでしょうか。あわせて、牛乳の正しい選び方を確認しておきましょう。
牛乳はカルシウムが豊富
牛乳には、骨の成長に不可欠なカルシウムを多く含んでいます。ミネラルやビタミンなども含んでいる栄養が豊富な食品です。上手く赤ちゃんの食生活に取り入れていきたいですね。
赤ちゃんにおすすめの牛乳の選び方
牛の乳をしぼった生乳(せいにゅう)100%と表示されているものは、一般的に4種類に分けることができます。さらに、加工乳と乳飲料を含めると下記の6種類に分けることができます。
・牛乳
・成分調整牛乳
・低脂肪牛乳
・無脂肪牛乳
・加工乳
・乳飲料
赤ちゃんに牛乳を与えるときは、「牛乳」を与えるようにしましょう。なかでも「成分無調整」と表示があるものは、成分が生乳そのものであるため子どもにおすすめです。牛乳パックのラベルに種類が必ず書かれているので、チェックして買うようにすると良いですね。
牛乳は、カルシウムを始めとする赤ちゃんの成長に欠かせない栄養素がたくさん含まれています。下痢や嘔吐などのアレルギーや乳糖不耐症の症状が見られなければ、積極的に離乳食や飲料として取り入れていくと良いでしょう。
ただし、赤ちゃんによっては牛乳を嫌がることもあります。赤ちゃんが牛乳を好まない場合は与え方をアレンジしたり、牛乳のメーカーを変えたりして、赤ちゃんが食べやすい工夫をしてみてくださいね。
※この記事は2019年9月時点の情報をもとに作成しています。アレルギーに関する詳しい情報は、下記のリンクをご覧ください。
赤ちゃんの牛乳アレルギーとは?
牛乳は乳製品なのでアレルギーに注意
牛乳はアレルギー症状を起こすことが多い食品とされ、卵や小麦と同様、消費者庁が定めるアレルゲンを含む「特定原材料」の7品目に分類されています(※1)。
赤ちゃんに初めて牛乳を与えるときは、必ず加熱して少量ずつ与えます。万が一アレルギー症状が出たときにすぐに小児科を受診できるように、牛乳は午前中の離乳食で与えると良いでしょう。
牛乳アレルギーの主な症状
牛乳アレルギーの人が牛乳を飲んだ場合、30分から2時間程度でアレルギー症状が出るといわれています。牛乳アレルギーの主な症状は以下の通りです。
・肌のかゆみ
・赤み
・じんましん
・呼吸困難
・腹痛
・下痢
・嘔吐など
牛乳を赤ちゃんに与えた後にアレルギーと思われる症状が出た場合は、すぐにかかりつけの小児科を受診してください。
その際に「牛乳を飲ませた時間」「飲んだ後に出た症状」「症状の程度」など、わかる範囲でメモをしたものを持参すると医師の判断材料になります。あわせて保険証や母子手帳も持っていくと良いでしょう。
牛乳は乳糖不耐症にも注意
牛乳は、牛乳アレルギーでなくても下痢や腹痛などを起こすことがあります。これは「乳糖不耐症(にゅうとうふたいしょう)」といい、牛乳に含まれる乳糖を上手く小腸で分解できないことが原因で起こるものです。
乳糖不耐症は、牛乳を飲み過ぎたり、牛乳の温度が冷たかったりすると症状が出ることもあります。赤ちゃんに与えるときは、量や温度にも注意しましょう。
赤ちゃんの牛乳はいつから飲める?飲ませ方のコツ
初めて赤ちゃんに牛乳を飲ませる際に、与える月齢や手順を誤るとアレルギーが出やすくなるケースがあります。赤ちゃんに安心して牛乳を与えるためにも、飲ませ方を確認しておきましょう。
離乳食中期から加熱調理したものを与える
牛乳は、離乳食中期(モグモグ期)から離乳食に取り入れることができます。牛乳そのものを飲ませるのではなく、ミルク煮やパン粥など食材のひとつとして与えましょう。
初めて牛乳を使うときは、50mL程度のごく少量にしましょう。必ず電子レンジや火にかけて加熱してたものを離乳食に使うようにしてくださいね。
飲料としては1歳以降から飲ませる
厚生労働省が発行する「授乳・離乳の支援ガイド」(※2)によると、牛乳を飲料として与える場合、鉄欠乏性貧血を予防するという観点から1歳過ぎから与えるよう記載があります。1歳より前に牛乳を飲料として与えると、タンパク質やミネラルを過剰に摂取してしまう可能性があることに気を付けましょう。
赤ちゃんが1歳を過ぎたら、そのまま牛乳として飲ませることができます。ただし、初めて飲ませるときは少量の牛乳を加熱して与えます。
問題がなければ、少しずつ量を増やしていきます。温度についても、初めは人肌程度に加熱したものをあげて、徐々に冷たいまま与えると良いでしょう。
牛乳を与える前に乳製品に慣らしておく
母乳やミルクを飲んでいる赤ちゃんにとっては、牛乳の味になじみがなく嫌がることがあります。赤ちゃんが牛乳を嫌がる場合は、まずはヨーグルトを与えて乳製品の味に慣れさせてから牛乳をあげると、飲んでくれるかもしれませんよ。
牛乳と母乳との栄養や成分の違いは?
牛乳と母乳では、含まれている栄養や成分が異なります。たとえば、牛乳はたんぱく質やカルシウムが母乳より多く含まれているのに対し、母乳には乳糖が多く含まれています。これは、牛のほうが身体的な発達が早いことに対し、人間はまず脳の発達が先行されるからといわれています。
牛乳と人では、成長するために必要な栄養が異なるため、それぞれの乳に含まれる栄養も異なるのです。
赤ちゃんに与える牛乳の量の目安
赤ちゃんに初めて牛乳を与えるときは、50mL程度を目安にします。初めは必ず加熱して与えるようにしましょう。
離乳食の進み具合にもよりますが、赤ちゃんが牛乳に慣れてきたら1日あたり200mL~400mL程度を目安に与えます。毎日の摂取量には、チーズやヨーグルトなどの乳製品も含めて考えましょう。チーズ10gは牛乳100mLに換算して考え、摂取し過ぎないように気を付けたいですね。
また、牛乳を飲ませ過ぎると、それだけで赤ちゃんのお腹が満たされてしまう場合があります。牛乳だけでなく、他の離乳食とのバランスを考えて牛乳を与えるようにしましょう。
牛乳を飲まない場合の与え方のコツ
栄養満点の牛乳を赤ちゃんや子どもに与えたくても、においや味を嫌がってなかなか飲んでくれない場合があります。
飲まないときの対策を知って、楽しく牛乳が飲めるよう促してみましょう。
メーカーを変えてみる
赤ちゃんが牛乳を嫌がる場合は、無理に飲ませる必要はありません。しかし、メーカーによって微妙に牛乳の味が違うことがあるため、メーカーを変えてみると赤ちゃんが牛乳を飲むことがあります。いつもは買わないメーカーの牛乳を買ってみると良いかもしれませんね。
赤ちゃんの好みにアレンジしてみる
離乳食の進み具合によっては、牛乳をアレンジして赤ちゃんに飲ませてみると良いかもしれません。1歳を過ぎていれば、風味付け程度に純ココアを混ぜてミルクココアにしたり、イチゴをつぶしてイチゴミルクにしたりしてみましょう。おいしく飲んでくれると良いですね。
牛乳のレシピを試してみる
牛乳そのものを飲むことを嫌がる場合は、料理に牛乳を混ぜてみましょう。
シチューやグラタン、ミルク煮などを試してみると良いですね。少しずつ牛乳の味に慣れさせていきましょう。
他の乳製品で栄養を補う
離乳食の進み具合によっては、無理に牛乳を飲ませなくてもかまいません。母乳やミルク中心で、いろいろな食材を離乳食に使って栄養を摂りましょう。
チーズやヨーグルトなどの乳製品や小魚でもカルシウムは摂取することができます。赤ちゃんのときは牛乳を嫌がっていたのに、大きくなったら牛乳が好きになることもあるので、焦らずに与えると良いですよ。
牛乳の栄養と選び方
牛乳は栄養が豊富といわれていますが、どのような栄養が摂取できるかご存じでしょうか。あわせて、牛乳の正しい選び方を確認しておきましょう。
牛乳はカルシウムが豊富
牛乳には、骨の成長に不可欠なカルシウムを多く含んでいます。ミネラルやビタミンなども含んでいる栄養が豊富な食品です。上手く赤ちゃんの食生活に取り入れていきたいですね。
赤ちゃんにおすすめの牛乳の選び方
牛の乳をしぼった生乳(せいにゅう)100%と表示されているものは、一般的に4種類に分けることができます。さらに、加工乳と乳飲料を含めると下記の6種類に分けることができます。
・牛乳
・成分調整牛乳
・低脂肪牛乳
・無脂肪牛乳
・加工乳
・乳飲料
赤ちゃんに牛乳を与えるときは、「牛乳」を与えるようにしましょう。なかでも「成分無調整」と表示があるものは、成分が生乳そのものであるため子どもにおすすめです。牛乳パックのラベルに種類が必ず書かれているので、チェックして買うようにすると良いですね。
栄養たっぷりの牛乳を赤ちゃんに与えよう
牛乳は、カルシウムを始めとする赤ちゃんの成長に欠かせない栄養素がたくさん含まれています。下痢や嘔吐などのアレルギーや乳糖不耐症の症状が見られなければ、積極的に離乳食や飲料として取り入れていくと良いでしょう。
ただし、赤ちゃんによっては牛乳を嫌がることもあります。赤ちゃんが牛乳を好まない場合は与え方をアレンジしたり、牛乳のメーカーを変えたりして、赤ちゃんが食べやすい工夫をしてみてくださいね。
※この記事は2019年9月時点の情報をもとに作成しています。アレルギーに関する詳しい情報は、下記のリンクをご覧ください。