リスクの高い分娩からママと胎児を守る!周産期母子医療センターとは?特徴や一般病院との違い|産婦人科医監修
周産期医療とは?
周産期とは出産の周辺の時期つまり出産前後の時期を指し、世界保健機関(WHO)では妊娠22週から出生後7日未満までの期間と定義しています。この時期は妊娠・分娩・産褥(さんじょく)・新生児管理が混在し、母子ともに突発的な異常が起こりやすい時期でもあります。
緊急事態が起こったときに、ママと赤ちゃんに対して同時に高度な医療を提供するのが周産期医療です。周産期医療では産婦人科と小児科が連携し、絶え間なく総合的な医療を提供しています。
周産期母子医療センターとは?
妊娠・出産にいたる経過は人それぞれですが、合併症妊娠、切迫早産、高齢出産などはハイリスク妊娠といわれます。このようなハイリスク妊娠での分娩や胎児異常が起こった場合に、高度な周産期医療・新生児医療に対応する施設が周産期母子医療センターです。
周産期母子医療センターは各都道府県が指定しており、施設基準により「総合周産期母子医療センター」と「地域周産期母子医療センター」に分けられます。令和4年4月1日時点で全国で指定されている施設は、総合周産期母子医療センターが112ヶ所、地域周産期母子医療センターが296ヶ所です。(※1)
総合周産期母子医療センター
総合周産期母子医療センターは、地域の周産期医療システムの中核を担う施設です。産科に母体・胎児集中治療管理室(MFICU)、小児科に新生児集中治療管理室(NICU)を有する医療機関が認定されており、麻酔科やそのほかに関係する診療科目と連携しながら治療にあたります。
地域周産期母子医療センター
地域周産期母子医療センターは、産科や小児科(新生児)を備えていて周産期の比較的高度な医療行為を担う施設です。総合周産期母子医療センター1ヶ所につき数ヶ所の割合で整備されており、地域の医療機関と連携をとりながら24時間体制で周産期の救急医療に対応しています。
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一般病院や助産所との違いは?
妊娠が判明してから出産までは地域のクリニックや助産所、一般病院をかかりつけ医とすることが多いでしょう。これらの施設は、正常分娩や予定帝王切開など、リスクが低い分娩を行っています。一般病院や助産所にかかっていても、高度な医療が必要とされる状況になったときは周産期母子医療センターに紹介もしくは搬送となります。
一方で、周産期母子医療センターに指定された施設でも通常の産科診療を行っており、リスクの低い分娩も受け入れています。