夏こそ「虫育!」アゲハを飼って変わった虫嫌いママと子どもの価値観
虫が苦手なママ、多いのでは?私も「大」の苦手です。カメムシでもギャー!と雄叫びをあげずに見られません。そんな私の5歳長男がナミアゲハの幼虫を家に連れてきました。見た目は鳥のフンだけど、動きはイモムシソックリ…
それでも不思議なもので、飼ってみると夢に出るまで可愛くなるものです。これからカブトムシの季節。虫嫌いでも飼育を考えるママのために、今回は虫に広げてもらった世界と子どもとの会話をご紹介します。
キッカケは幼稚園のみかんの木についたアゲハの幼虫を、長男が「飼いたい!」と言ったことでした。動物が大好きな長男。
見知らぬ虫より、飼っている虫
最初は軽い気持ちだったのですが、目に見てわかるほど一日一日グングン大きくなっていきます。小指の第一関節ほどの長さに育ったところで脱皮し緑の青虫に。「気持ち悪っ!!」と叫ばずには見られず、正直飼ったことを少し後悔していました。
ある日曜日のこと。幼稚園から持ってきた餌のミカンの葉が足りないことに気づきました。「じゃあキャベツでも」とあげても食べない。
結局餌を見つけてきましたが、「餌がないかも…」と心配してはじめて自分の中で青虫が大切な存在になっていることに気づきました。「見知らぬ虫」は大嫌いだけど飼っている虫は徐々に可愛くなっていく。それから毎日、息子と成長を楽しみました。
息子は「名前をつける、餌をあげる、幼稚園に持って行って先生やお友達に見せる、家中のお守りを集めて大きくなるよう祈る」などして楽しんでいました。
成虫になっても飼うことに
青虫は無事サナギになりました。羽化するまでは大体2週間。その頃息子とこんな会話をしました。
「羽化したらお外に離してあげようね」
「何で?寂しいから飼おうよ」
「アゲハは空を飛んで、結婚して卵を作るのが生きる目的だからね。羽があるのに外を飛べないのはかわいそうでしょう。○○も、天気がいいのにお外で遊んじゃダメって言われたらどう?」
「それは嫌だね…でも寂しいよ」
そうして羽化しましたが、羽が十分に伸びず飛べないためアゲハチョウとなっても飼い続けることになりました。チョウになると子どもたちのテンションも上がるようで、1歳の次男も興奮して毎日見ていました。
長男もエサをあげるときにアゲハが手にのぼってきてとても喜んでいました。「虫を自分の手で触れた」ことが子どもはとても嬉しいよう。少し失敗だと思ったのは、エサをやるときにチョウを傷付けてはいけないと思い、子どもでなく私がやっていたこと。もう少し子どもにもフォローしつつさせてあげればと思いました。
結局成虫の平均寿命2週間を超え、20日ほどでチョウは死にました。元々繊細な長男は丸1日泣いていました。それからまだ3日ですが、以下のような質問が繰り返されます。
「何で何もしていないのに死んじゃったの?」
「チョウチョはボクと一緒にいて楽しかったの?」
「今はどこにいるの?」
「天国にいるの?」
寿命とか死といった話をし、暗い話もあれば前向きに考える会話も重ねました。
泣き続ける長男を見るのは辛いですが、こういった経験がないよりあったほうが良いと思いました。というのもまたまだ長男は命の重みをわかっていないと感じることが度々あったので、それをチョウは見せてくれたと感じています。生と死といったことを考えるのにも、生き物と生活することは大切だと感じました。
ただ子どものダメージも大きいので寿命の長めなものを飼育するのが良いと思います。
ライター:宮野 茉莉子
それでも不思議なもので、飼ってみると夢に出るまで可愛くなるものです。これからカブトムシの季節。虫嫌いでも飼育を考えるママのために、今回は虫に広げてもらった世界と子どもとの会話をご紹介します。
動物アレルギー、かつアパート住まい
キッカケは幼稚園のみかんの木についたアゲハの幼虫を、長男が「飼いたい!」と言ったことでした。動物が大好きな長男。
しかし彼は犬・猫・ハウスダストアレルギー、さらに現在の住まいはアパートのため飼うことができません。爪先ほどの小さな幼虫を見て、「これぐらいいいか」と軽い気持ちで飼うことに決めました。
見知らぬ虫より、飼っている虫
最初は軽い気持ちだったのですが、目に見てわかるほど一日一日グングン大きくなっていきます。小指の第一関節ほどの長さに育ったところで脱皮し緑の青虫に。「気持ち悪っ!!」と叫ばずには見られず、正直飼ったことを少し後悔していました。
ある日曜日のこと。幼稚園から持ってきた餌のミカンの葉が足りないことに気づきました。「じゃあキャベツでも」とあげても食べない。
調べると「ミカン、カラタチなどミカン科の葉しか食べない」と餌のレア度に驚きましたし、勉強になりました。
結局餌を見つけてきましたが、「餌がないかも…」と心配してはじめて自分の中で青虫が大切な存在になっていることに気づきました。「見知らぬ虫」は大嫌いだけど飼っている虫は徐々に可愛くなっていく。それから毎日、息子と成長を楽しみました。
息子は「名前をつける、餌をあげる、幼稚園に持って行って先生やお友達に見せる、家中のお守りを集めて大きくなるよう祈る」などして楽しんでいました。
成虫になっても飼うことに
青虫は無事サナギになりました。羽化するまでは大体2週間。その頃息子とこんな会話をしました。
「羽化したらお外に離してあげようね」
「何で?寂しいから飼おうよ」
「アゲハは空を飛んで、結婚して卵を作るのが生きる目的だからね。羽があるのに外を飛べないのはかわいそうでしょう。○○も、天気がいいのにお外で遊んじゃダメって言われたらどう?」
「それは嫌だね…でも寂しいよ」
そうして羽化しましたが、羽が十分に伸びず飛べないためアゲハチョウとなっても飼い続けることになりました。チョウになると子どもたちのテンションも上がるようで、1歳の次男も興奮して毎日見ていました。
長男もエサをあげるときにアゲハが手にのぼってきてとても喜んでいました。「虫を自分の手で触れた」ことが子どもはとても嬉しいよう。少し失敗だと思ったのは、エサをやるときにチョウを傷付けてはいけないと思い、子どもでなく私がやっていたこと。もう少し子どもにもフォローしつつさせてあげればと思いました。
死んだらどこへ行くの?
結局成虫の平均寿命2週間を超え、20日ほどでチョウは死にました。元々繊細な長男は丸1日泣いていました。それからまだ3日ですが、以下のような質問が繰り返されます。
「何で何もしていないのに死んじゃったの?」
「チョウチョはボクと一緒にいて楽しかったの?」
「今はどこにいるの?」
「天国にいるの?」
寿命とか死といった話をし、暗い話もあれば前向きに考える会話も重ねました。
泣き続ける長男を見るのは辛いですが、こういった経験がないよりあったほうが良いと思いました。というのもまたまだ長男は命の重みをわかっていないと感じることが度々あったので、それをチョウは見せてくれたと感じています。生と死といったことを考えるのにも、生き物と生活することは大切だと感じました。
ただ子どものダメージも大きいので寿命の長めなものを飼育するのが良いと思います。
これからの季節、カブトムシやザリガニ、金魚やメダカなどの飼育を考えてみてはいかがでしょう。ママ自体も勉強になりますし、よい経験ができますよ。
ライター:宮野 茉莉子