「厳しい指導」を受けてきた元全日本代表、益子直美さんが「怒らない指導」を始めた理由
すると、話し合いの中で、監督さんに怒らないでやってもらおうというコンセプトが出てきました。
実は、開催に向け中心となって動いた男性は、当時9歳の長男と6歳の長女を水難事故で失っています。小学校入学前だった長女が、その男性が指導するバレーボールチームへの入団を楽しみにしていたのだそう。ただただバレーボールをやりたかったわが子の希望を叶えられなかったことを思い、子どもたちが楽しくできるバレーボールの大会を始めたそうです。
益子さん:益子カップをやって、本当に良かったと思います。私自身にも大きな気づきがありました。自分がなぜバレーボールが大嫌いなのかがわかったのです。中学、高校と、厳しい指導を受けてきました。
私たちの時代はそれが当たり前でしたし、おかしいとか、理不尽とか、何とも思いませんでした。
後編では、選手時代はずっと怒られ「バレーボールが大嫌い」だった過去から、益子さんが気づいたものとは何かをお伝えします。
益子直美(ますこなおみ)
東京都生まれ。中学入学と同時にバレーボールを始め、高校は地元の共栄学園に進学。春高バレーで準優勝し、3年生の時に全日本メンバー入り。1980年代後半から1990年代前半の女子バレーボール界を席巻した。卒業後はイトーヨーカドーに入団。全日本メンバーとして世界選手権2回、W杯に出場。
現在はタレント、スポーツキャスターなど幅広く活動中。