ハードな運動をしている子どもに推奨される「とにかく量を食べなさい」の弊害とは?
「たくさん食べるから大丈夫」というような食事の取り方には問題があると言います。
「炭水化物だけを突出してたくさん摂ると、本来は運動で疲れた身体の回復に使われるビタミンやミネラル、酵素などが"消化をするため"だけに使われてしまいます。結果として代謝が悪くなり、疲れたままのガス欠状態で学校に行くことになります。代謝が悪いので、運動をしていない子どもは肥満になります」
■誰でも簡単に栄養バランスを取れる方法
食事と栄養について、さまざまな誤解があることはおわかりいただけたでしょうか?
これまでのショッキングな話もあり、「栄養素のバランスに気をつけた食事なんて無理」という声が聞こえてきそうですね。そんなあなたのために、柳生さんが今日から誰でも簡単に栄養バランスを取れる方法を教えてくれました。
「よく言われていることかもしれませんが、ごはんやお肉・お魚などのおかずがちゃんと作れているなら、緑黄色野菜を摂ることですね。見た目では、テーブルの上に白・茶・赤・黄・緑・黒などの色が5色くらいあるようにすると、バランスの良い食事になります。気をつけてほしいのは、できるだけ旬のものを食べること。
スーパーに行けばどんな野菜でも1年中手に入るのが常識になっていますが、季節によって"元気の良い野菜"があるんです」
どんな料理を作るかで食材を決めるのではなく、旬のものを意識して、食材からメニューを考えるだけで、一回の食事で摂取できる栄養はずいぶん増えると言います。
それでも、必要な栄養素を1日3食だけで摂取することは難しいのが現状です。そんなときはサプリメントなどの栄養補助食品に頼るのも決して悪いことではないと言います。
「栄養素が手軽に取れるサプリメントを子どもたちに与えることに、なんとなく後ろめたさを感じる人は多いのかもしれません。でも、どんなに食事に気を遣っても、必要な栄養素すべてを十分に取り切るのは難しいんです。せっかく摂った栄養を生かすために、サプリメントなどで補ってあげることは食事の質を上げることになります」
もちろん、サプリメントなら何でもいいというわけではありません。柳生さんはできるだけ多くの栄養素を含んでいて、栄養素の働きや相関関係が考慮されているもの、食品由来の栄養素を使用しているものを選んでほしいと言います。
「サプリメントと言っても、パッケージの裏を見て、その栄養素がどの食物から抽出されたものか明記してあれば安心です。