子育て情報『小学生にヘディング練習は必要か、英国のヘディング制限で考えたい子どもの安全な競技環境』

2020年3月25日 17:11

小学生にヘディング練習は必要か、英国のヘディング制限で考えたい子どもの安全な競技環境

と通達しています。

日本サッカー協会は現時点で、ヘディング練習に関する具体的な制限は設けていません。

12歳以下の指導では、ヘディングを教えるときは「生え際のところに首を固定して、ボールに当てる」といったやり方が紹介されています。

子どもの脳への影響は語られていません。そもそもボールは浮かないのですから、練習を禁止にすべきです。そうすれば、胸やももで体を入れてコントロールすることを覚えます。

それでは、ごく一部とはいえ、日本の指導者がなぜ子どもに、脳へのリスクの高いヘディングを教えてしまうのか。それは二つの理由が考えられます。

1.危険だという認識がない
2.認識があっても、体の大きな子どもがヘディングを覚えることで得点源になるため勝利に近づくことができる。

日本の少年サッカーの指導法は近年、少しずつ変化を遂げています。とはいえ、技術や戦術にばかりエネルギーを注ぐあまり、いかに安全な競技環境にするか、いかに子どもたちにスポーツマンシップを伝えるかといった「勝利にかかわらない部分」が置き去りにされていないでしょうか。

■情報のアップデートには迅速に対応しなければならない

小学生にヘディング練習は必要か、英国のヘディング制限で考えたい子どもの安全な競技環境

(写真は少年サッカーのイメージです)

日本サッカー協会の指導者ライセンス取得の講習内容は、4年に一度見直します。ただ、情報が書き換えられる部分についてはもっと迅速に対処すべきだと感じています。

日本サッカー協会の指導者ライセンスを取得したサッカー指導者は医学的なこともおさえながら指導しています。例えば、中学生年代など身長が急激に伸びる時期(PHV年齢※Peak Height Velosity)には、身長の伸びと同時に内臓も肺も大きくなります。PHV年齢は女子が11歳。
男子は13歳ごろですね。その時期には持久力系のトレーニングが必要になります。

ただ、単にランニングさせて走らせるやり方ではサッカーの技術との関連性がなくなってしまいます。ボールを使う練習の中で、心肺機能にも負荷を与える練習を意識的に行う事は欧州ではずっと以前から常識です。ところが、ここでも日本は遅れています。単調なランニングをさせるコーチは少なくありません。

ヘディングの指導も然りです。間違っていたら、変えなくてはいけません。


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高橋正紀(たかはし・まさのり)
1963年、神奈川県出身。筑波大学体育専門学群ではサッカー部。

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