技術だけじゃない! プレミアリーグ、イングランドサッカー協会のベテランスカウトが教えるU-13世代のスカウト基準とは
スカウトの人って選手のどこを見ているの?身体が大きくて速いと有利なんでしょう?など、スカウトの人が何を見て判断するのか気になる親御さんも多いのでは。
今回は、世界最高峰のリーグ、イングランドプレミアリーグのトッテナム・ホットスパーFCやイングランドサッカー協会でスカウト部門のトップとして育成年代の発掘に関わってきたベテランスカウト、リチャード・アレン氏に「U-13世代をスカウトする時に見るポイント」を伺いました。(取材・文・写真:末弘健太)
技術以外にスカウトが見ているのは......(写真は少年サッカーのイメージ)
■「成長速度の違い」も見ている
――U‐13世代をスカウティングする際に何を見ますか?
スカウティングといってもファンデーション・フェーズ(5~11歳)とU‐13では少し見るものが変わってきます。U‐12、U‐13からは少しずつ、その選手が攻撃的な選手なのか守備的な選手なのかわかってきます。最終的にどこのポジションがその選手にとってベストかはその時点ではわかりませんが、どこが強みでどこが改善点なのかわかってきます。
ただし、この年代の選手を見る上で気を付けなければいけないことは、選手それぞれで成長の速度が違うということです。
思春期が訪れる頃に、身体的な機能は一気に発達していきます。
12、13歳の選手でも15、16歳に見える選手もいますし、9歳くらいにしか見えない選手もいます。
これによってもちろん身体能力に差が出てきてしまいます。
なので、その場のパフォーマンスの出来で評価するのではなく、選手のポテンシャルを見てあげることが大切です。チームの中で非常に速くて強い選手がいたとしても、もしかしたらそれは彼がチーム内で月齢が一番高いだけかもしれません。
この年代の選手をスカウティングをする上で、この点は必ず気を付けなければいけない点です。
――では、その一時のパフォーマンスの良し悪しよりも、ポテンシャルを秘めていることの方が大切ということですよね?
そうですね。
私はその選手のプレーの意図を見るようにしています。
例えばある選手がパスを出したとします。その判断は良いものでしたが、身体能力的にパスが通らないことがあるかと思います。
30mのパスを出したかったとしても、15mもしくは20mにしか届かなかったということです。
そのような時、指導者の方は選手にしっかりと自信を持たせてあげることが必要ですね。