子育て情報『回数はそんなに重要か。リフティング信仰から目を覚まさせるアプローチを教えて』

2020年9月11日 16:17

回数はそんなに重要か。リフティング信仰から目を覚まさせるアプローチを教えて

先日、中学生が「ヒールリフトを練習したので、見てください」と言ってやってきました。実際、彼はとてもうまくなっていました。
「せっかくうまくなったんだから試合で使ってごらんよ」
私がそう言うと、彼は「え~っ?」と驚くのです。

「いや、何のために練習したの。ヒールリフトってどうしても抜け出せないときに、使うと便利だよね。コーチも練習して使ったよ」

彼の反応からは、使う気がないけれど練習したことが伝わってきました。

そんな子どもをブラジルのコーチが見つけると、「君はサーカスに行くの?」と言います。練習はあくまでサッカーの試合に出てくる技術を磨くのが目的です。
そうすると、リフティングをする場面はどのくらい出てくるでしょうか。百歩譲ったとしても、浮き球のコントロール程度です。それを何千回もできる必要があるでしょうか。

フットサル指導者のミゲル・ロドリゴさんも「リフティングは試合で使わない」とおっしゃっていました。立ったまま動かずにボールを何度もリフティングするような場面は、試合にはありません。スキルを磨くのは試合で使うためです。日本の指導者や子どもたちはそこをもっと意識すべきです。

■利き足だけでなく、身体のいろんな場所でのコントロールを心がけること

よって、リフティング練習は基本、必要ないと思います。
ただ、リフティングをさせるのなら、回数を目指すのではなく、試合で使うスキルを向上させることを念頭においてください。

まずは、二人でボールを交換する練習をしましょう。パスを受けたらリフティングして返す。ダイレクトで返す。左右交互に使う。もも、肩、頭、胸など身体のいろいろな場所を使ってコントロールすることを心がける。

二人でパス交換しながら移動してもいいし、ひとりでやるのなら壁に充てたボールをリフティングする。また、お母さんやお父さんに投げてもらったボールをコントロールして返す。
それも可能なら移動してやる。

このような練習は、ボールコントロールのスキルだけでなく、身体のバランスをよくするコーディネーションにもつながります。神経系を刺激して自分の思うように身体をスムーズに動かす力を養います。そのためにも右も左もバランスよく使うことが肝要です。私は大学時代、インステップを左右、アウトサイドで左右、インサイド左右からヘディング、そしてまたインステップに戻る練習をひとりでよくやりました。

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