練習量が多い=一生懸命ではない。元レアルのサルガド氏が指摘する日本の保護者の「誤った認識」
一方、海外経験がある親は心の準備ができているのですんなり子どもの背中が押せます。つまり、子どもどうこうよりも親の問題の方が多いということです。頭ごなしに『まだ早い』と否定されてしまった子どもは、ひとまず我慢して、やがて諦めて、結局はやる気がなくなってしまうものです」
――サッカー留学について、親として必ず押さえておくべき情報などアドバイスがあればお願いします。
「サッカー留学には適正価格があり、国によって異なりますが、相場は2か月で50万円ほどでしょうか。べらぼうに高い価格の会社もありますし、逆に価格とクオリティが合っていると感じれば自ずと人は集まります。その見極めはしっかりして下さい。また、注意すべきは、留学に行く国を狭めないことです。欧州に行きたい、南米に行きたい、という姿勢に固執し過ぎることなく、もし叶わなかったときでも別の国を選択すれば留学を経験するチャンスはあるし、物事を大きな面で捉えてチャンスを掴まえることが重要だと思います。
僕は今までいろんな国に行きましたが、どの国に行っても大きな刺激があることは間違いありません」
子どものためと思ってやっていることがプレッシャーになって、伸びるものも伸びなかったら逆効果ですよね。
また、対話できれば解決の糸口が見つかるかもしれないのに、悩みを抱えたまま辞めてしまい、結果としてより悪い状態になることもあります。
ピッチ再度ではうるさく喚くけれど、指導者としっかり対話ができ、家で子どもを追い詰めないスペインの保護者の姿勢は親のサポートのあり方として参考になる部分があるのではないでしょうか。
<<第一回:世界のクラブが日本人選手に求めるスキルとは。レアル中井選手から学ぶ世界で生き抜く方法
稲若健志(いなわか・たけし)
株式会社ワカタケ代表。1979年生まれ。神奈川県出身。藤嶺学園藤沢高校卒業後、ディエゴ・マラドーナに憧れアルゼンチンに渡航しプロ契約を結ぶ。
愛媛FCや栃木SCなどでプレーしたのち引退。帰国してからも10年以上に渡り、毎年アルゼンチンを訪れ、指導や教育を学び、26歳のときに株式会社ワカタケを設立。中井卓大選手の挑戦の支援を通し、レアル・マドリードに強いパイプを持つ。レアル、アトレティコ、セルタなど日本でのキャンプ及び海外キャンプのライセンスを持つほか、世界各国につながりを持ちリーガ主催のジュニアの大会への出場権も保有。世界を子どもたちに見せるべく、年間1000人以上の子どもたちに海外にいく機会を作っている。