どんな時に味方に声を出せばいいのかわからない子どもたちに理解させる練習はある?
そして、ボールをもらった人は、また他の人からパス!と言われたら、パスをします」
これは7~8人くらいでやります。人数は適当に決めていただいて大丈夫で、もっと少なくてもかまいません。最初は、ディフェンスはつけずに、みんながフリーランニングしている状態で、ボール持ってドリブルしながら周りを見ます。周りも動きながら「パス!」と呼ぶ。呼ばれたら必ず、そこにパスをします。一度に3人くらいから呼ばれることもあります。誰にパスするのかは、無論ボール保持者が決めてパスをする。そういう練習です。
これは、声を出してパスを呼ぶ、つまりコーチングも大事ですが、仲間の声を聞くトレーニングでもあります。ずっと「パス!」と言っているのに、聞いてないことがよくあります。そうすると、子どもたちは声を出さなくなりますね。そんな現象を注意深く観察してみてください。
■慣れたら守備をつけレベルアップ
慣れてきたら、例えば「7対1」にして、ひとり守備をつけます。ただ、やることは同じです。声が聞こえたら、必ず呼ばれた人にパスをする。複数の声がかけられますから、ディフェンスの位置を確認してボールをカットされない、取られないような味方に出さなくてはいけません。
声を出していない人にはパスしません。
最初にやると、子どもたちは一斉に「パス!パス!」と呼びます。そこを少しずつ整理してあげます。
例えば、呼ばれた方向に守備者がいないときは、呼ばれたらすぐに出せます。そういうことを考えて、やってもらいます。そうすると、パッサーは自分の体が向いているほうにパスをします。そこで「もらったら、なるべく早くパスしよう」と言います。後ろから呼ばれたからと言って、ターンしていてはボールを素早く出せません。
たくさんの声を選んで、できるだけ早くパスができる人を選ぶように促します。
そうすると、子どもたちは、自分が受け手になったときに、周りを見ていないとパスをもらいづらいことがわかります。パッサーがどちらを向いているか、味方はどこにいるか。自分はもらいやすい位置なのか、そうでないのか。そこを学ぶと、徐々に声を出すタイミングが絞られてきます。
■状況判断ができるようになると、かける声のレベルが上がる
ボールをもらうためにはどのスペースに走り込むのか。視野と判断が求められます。例えば、ディフェンスの子から一番遠いところを選ぶ。
もしくは、ディフェンスが自分の近くにいれば、そこは安全ではないから声をかけないでおこうという判断もできます。