子育て情報『「怒らずにどんな声掛けをすればいいのか」まで踏み込むことで、雰囲気が一変。益子直美カップで起こったポジティブな変化とは』

「怒らずにどんな声掛けをすればいいのか」まで踏み込むことで、雰囲気が一変。益子直美カップで起こったポジティブな変化とは

現役時代はバレーボール選手として全日本に選ばれ、引退後はタレントやスポーツキャスターとして活躍中の益子直美さん。自身の経験から『監督は怒ってはいけない』をテーマにした『益子直美カップ』を主催しています。

インタビュー後編では、益子カップを通じて感じた、指導者や保護者の変化についてうかがいました。
(取材・文:鈴木智之)

目次

・高圧的な指導を受ける中で、自分で考えることをしなくなった
・「監督が怒ってはいけない」大会で指導者自身にも気づきが生まれる
・怒らずにどんな声掛けをすればいいのか、まで踏み込む
・保護者は子どもたちが話しやすい環境を作ってあげてほしい
・なんでも管理しルールで縛ることは、成長の機会を奪いかねない
・サカイク10か条に共感。バレー界でも......


「怒らずにどんな声掛けをすればいいのか」まで踏み込むことで、雰囲気が一変。益子直美カップで起こったポジティブな変化とは

指導者、保護者がポジティブな言葉をかけることで試合の雰囲気も良くなるのです(写真は益子直美カップ小学生バレーボール大会Facebookより)

<<前編:昭和の高圧的な指導から脱却すべき。益子直美さんが「監督が怒ってはいけない」大会を開催する理由

子どものサッカーに関わる保護者のみなさんに、
大切にしてほしい"親の心得"10か条>>

■高圧的な指導を受ける中で、自分で考えることをしなくなった

学生時代は指導者の高圧的な指導が原因で、「自分で考えることをしなくなった」「バレーを楽しいと思ったことは一度もなかった」と話す益子さん。そのような経験をする子どもをなくしたいという想いから、『監督は怒ってはいけない』というルールのもとで運営される、益子直美カップを主催しています。

大会を通じて様々な指導者と接する中で、参加者の意識の変化を感じることも増えてきたようです。

「ある監督さんは『怒ってはいけない』というルールのもとで、子どもたちに何と声をかけていいかがわからず『タイムアウトをとったけど、何も言葉が出てこなかった』とおっしゃっていました。
私が『普段はどのような声をかけているのですか?』と尋ねたら『なんでミスをしたんだ』『もっと気合を入れろ』など、怒りをベースとした声掛けをしていたそうなんです」

■「監督が怒ってはいけない」大会で指導者自身にも気づきが生まれる

益子カップのルールによって、普段通りの接し方ができなくなった指導者は、指導を見直す必要性に迫られました。

「その方は大ベテランの指導者だったのですが、『試合の後に、どんな声をかけたらいいですか?』と私に聞いて来られました。そこで『先生は、子どもたちにどうなってほしいですか?』と質問をしたら『次はもっとがんばりたい、勝ちたい気持ちになってほしい』とおっしゃいました」
益子さんはその監督と対話を続けることで、「子どもたちのモチベーションを上げる言葉をかければいいんだ」という考えを引き出し、最終的には「試合の中では、できたところ、良いところもたくさんあった。

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