2021年7月30日 21:34
でこぼこピッチだとぐらついて転びやすい子どもたちのボディコントロールを強化する練習はある?
<池上さんのアドバイス>
今の子どもたちが育つ環境を考えると、野山を駆け巡るようなものではありません。サッカーコートは土か人工芝の整備されたところのみですね。彼らの遊び方も同様です。自然の中で走り回るとかではありません。
私たち世代の子ども時代は鬼ごっこが遊びの中心でしたが、今はテレビゲームなど「静的な遊び」が多いようです。しかも、地方と都市部の違いはもうあまりなく、遊び方や環境は昔とは少し違います。
とはいえ現実は受け入れるしかありません。
■神経系が発達する幼少期は生活の中でいろんな動きができるのが理想
神経系がどんどん発達する幼少期は、山を登ったり、坂を下ったり、飛んだり跳ねたりと、生活の中でいろんな動きができるのが理想です。
サッカーのトレーニングのなかに「コーディネーション」と呼ばれる体をなめらかに動かすための練習を取り入れてもいいでしょう。
そのあたりは、検索すれば動画サービスでもいっぱい出てきます。そういうものを取り入れてはどうでしょうか。イングランドは、育成年代のトレーニングにクロスカントリーを取り入れたりしているようです。地面に凹凸があるので、足首を鍛えることにはなりますね。
ただし、大人がそういうところばかりに気をとられ、ストイックになりすぎてしまうのもどうかと思います。もちろん砂場の練習が悪いわけではないけれど、子どもたちにはサッカーをする時間は限られています。考え方は間違ってはいないと思いますが、そのことにあまり執着する必要はないでしょう。
■「ズレが生じる」ようなリフティング環境を用意して、対応力を養う
南米は主に芝のグラウンドを使います。地面に凸凹があっても芝生が生えていることでクッションになっているので、足がかかったりするなどイレギュラーなことは起こりません。以前、ジーコが「人工芝なんてグラウンドではない」と話していると聞いたことがあります。
その一方で、オランダは「小学生の間は人工芝でやりなさい」とオランダサッカー協会が推奨しています。小学生までは良い環境で、きちんとした技術を身につけることが必要だという考えです。
ご相談者様がおっしゃるように、子どもたちがバランスを崩すようならば、まずはコーディネーションのトレーニングを取り入れてみてください。加えて、静止した状態で行うリフティングは試合で使わない技術なので、例えば走りながらやったり、二人で前に進みながらパス交換しながらリフティングをするような練習をしましょう。