シュート練習で重要なのは本数ではない 佐藤寿人が教えるゴール量産のために必要な練習法
昨シーズン限りで現役を退き、指導者として新たなスタートを切った佐藤寿人さん。Jリーグ通算220ゴールを決めたストライカーは自身の経験を子どもたちに伝えるために、様々な視点を持って指導に当たっています。
前編で自身のキャリアを振り返りつつ、柏レイソルなどで活躍をした長谷川太郎氏が代表を務める一般社団法人TREが主催した"TRE2030 STRIKER PROJECT"の各ACADEMY(ストライカーアカデミー・TRE.Lab・朝TRE・ゴールスキルサーキット)の「SPECIALストライカークリニック」で子どもたちに伝えたかったことをお話しいただきました。
後編の今回はストライカーとして持つべき心構えについて、教えていただきます。
(取材・文:松尾祐希)
(写真:松尾祐希)
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■世界で通用するFWを育てるためには動きの「言語化」が大事
――今、世界で得点王を取るようなストライカーが日本人ではまだいません。世界で通用するFWになるために何が必要なのでしょうか?
FWに限らず選手を育てる上で、決まった枠組みはいらないと思っています。一人一人個性は違いますし、選手の特徴を少しでも伸ばしてあげたいからです。その上でより高いレベルでプレーできるように促してあげたいんです。
自分はストライカーとして育ててもらいましたが、誰もが成功体験を持ってアプローチすることが難しいポジションです。GKであれば専門的なトレーニングができるコーチがいますが、FWはなかなかいません。
まだまだFWの動きについて言語化されていないので、そういう落とし込みをしていくことは大事なのではないでしょうか。
――言語化というところで、今日の練習ではチャレンジする姿勢についてお話をされていました。
個人の意見ですが、GKと比較すると、FWは楽なポジションです。シュートミスをしたとしても、次のチャンスを決められればミスを帳消しにできるからです。
一方でGKは一つのミスが失点に結び付きます。そう考えれば、FWは一つのミスを十分に挽回できるポジションなので、それも含めて指導者が向き合い、選手たちのメンタルを強化しないといけません。
■メンタルを強くするためには「ミス」を次に生かす考え方が重要
――メンタルを強化していく上で何が大事なのでしょうか。