「人生を豊かにするための手段としてサッカーがある」グラウンドをイチから手作りした女子サッカーチームの展望
「JFAグラスルーツ宣言」に賛同するチームを認定し、つながりを作ることで、グラスルーツの環境改善を目指すJFAグラスルーツ推進・賛同パートナー制度。引退なし、補欠ゼロ、障がい者サッカー、女子サッカー、施設の確保、社会課題への取り組み、という6つのテーマに、それぞれ賛同するチームが認可を受けています。
今回グラスルーツ推進グループの松田薫二さんがお話を聞いたのは、埼玉県桶川市にある桶川クイーンズ少女サッカークラブ代表の築根英樹(つくねひでき)さん。後編では練習場の確保や、今後の活動についてお送りします。
(取材・文:中村僚)
取材当日親子サッカーに参加していた6年生の選手たちと
<<前編:「私はサッカーをしに来ている!」とある女子チームの指導者を我に返らせた子どもたちの声
<グラスルーツ推進6つのテーマ>
■グラウンドをイチから手作り
松田:グラウンドを築根さんが畑を整備して、手作りで整えたと聞きました。
築根:実は以前にもひとつグラウンドを作っていて、女子チームのために作ったのがふたつめです。土を慣らして固めて、まわりに杭を打ち込んでネットを張って、トイレもメーカーと契約して設置して、ゴールも持ち込んでラインも引いて......と、すべてイチから作りました。いずれは天然芝のグラウンドにしたいですが(笑)。
元々は畑だったので、ここは水道が引けないんですね。そうすると飲み水が確保できないので、ダイドーさんと話をして自動販売機を置いてもらいました。自販機を置いてもとても売上が期待できない立地なのですが、クラブの理念を話したら共感してくれて、電線を引く工事もすべて請け負ってくれました。ありがたい限りです。
もちろん、グラウンドを作る前に、近隣の方にはあいさつに伺ってグラウンドを作ることを報告しました。後出しで報告してもいい気はしませんから。幸いみなさん共感してくれて、中には「うちから水道を引いてもいいよ」と言ってくれる人もいました。
このグラウンドは、平日は近所の方に開放しています。お年寄りの方がグラウンドゴルフをやっているみたいですね。私は平日は会社員として働いていますが、出勤前にグラウンドを見るとみなさん楽しんでいます。
■実力より練習参加率、入団間もない子も全員試合に出す
取材当日に開催されていた親子サッカー。保護者もプレーを楽しんだり審判を務めたりしていた
松田:クラブ作りにそこまで尽力されたとなると、築根さんとしても続けていく覚悟がいりますね。