2021年12月8日 20:00
早く入れなきゃ置いてけぼり? 低学年からスポ少やクラブに所属すべきか問題
大袈裟に言えば、親が「ああ、失敗するかも」とか「そこはこの子にはあわないかも」と感じても、子どもが「こうしたい」「このチームでやりたい!」と強く主張すれば、よほど大きな理由がない限り、子どもの主張通りに歩ませてあげたほうが成長につながります。
もちろん、選んだチームに暴力やパワハラがある可能性があるのなら、そこは親として子どもの安全を確保するためにも反対すべきです。そういった明らかにNGな理由がなければ、子どもの判断に任せてください。
そうでないと、親が誘導してしまったレールに乗ったあと、何か不具合が起きたときに「お母さんがこうしろと言ったからだ」と、うまくいかないことを他者のせいにしてしまいがちです。
■今悩んでいる自分を否定しないで
(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)
みっつめ。
私事ですが、息子がある強豪のジュニアユースチームに合格した際、見学した私たちにはあまりよいクラブに見えませんでした。そこを説明しましたが「最後は自分で決めるといいよ。決めたら、私たちは何も言わないし、そこでのサッカー生活を応援します」と約束しました。
12歳の息子は私たちが難色を示したクラブに入りました。私たちは多くの試練や悩みを背負うのだろうと思いましたが、従いました。
息子は高校受験で引退するタイミングで「お母さんたちの言うとおりだったかもしれないけど、僕に悔いはない」と言いました。そのあとは高校のサッカー部で楽しそうに、でも真剣にサッカーに取り組みました。成人した今も、会社の先輩や大学の友人、高校時代のサッカー部の仲間たちと休みの際はフットサルをして楽しんでいます。
ヨーロッパのサッカーが大好きで、たくさんの試合を観ます。欧州の選手に非常に詳しく、サッカーライフを楽しんでいます。息子を見ながら、これぞ生涯スポーツ。
日本のサッカーファミリーの一員に育ったのだなと、とてもうれしく感じます。
焦ってみたり、ま、いいかと開き直ったり、気を取り直してみたり。子どもとともにさまざま揺れながら成長していく。それが子育てというものです。
お母さん、悩んでいる自分を否定せず、ピンチの今が成長するチャンスだととらえてください。
島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。