人間形成が競技者としての成長を促す。IMGアカデミーが示す"ライフスキル"の重要性
「IMGアカデミー」をご存知でしょうか?
アメリカ合衆国フロリダ州ブレイデントンに構え、広大な敷地には55面のテニスコート、9面の野球場、16面のサッカー場を始め、最新鋭のトレーニングセンターなどアスリートが競技力を高めるために必要な設備を備えています。
テニスの錦織圭選手が育った場所、と言えばピンとくる方も多いでしょう。彼の存在ゆえに"テニスプレーヤーの育成所"というイメージも強いかと思いますが、サッカーや野球をはじめあらゆるスポーツのコースが存在し、日本から留学する生徒もいます。
そして、この組織の特徴は「スポーツだけを学ぶ」場所ではないということです。もちろん、入学する生徒のほとんどは一流のスポーツ選手になることを目的に競技力の向上を求めています。ただ、IMGアカデミーでは競技力やスキルを高めるだけでなく、競技外でも活躍できる人材育成のための教育も実施。人間形成が競技者としての成長を促すという、「ライフスキル」を高めるためのプログラムを実施しています。
サカイクキャンプは2017年から同様の考え・メソッドを取り入れていますが、トップアスリートの育成と輩出に長く寄与してきたIMGアカデミーでは、実際にどういった教育が行なわれているのでしょうか。
同校の東京支部で長期留学アドバイザーを務める藤村有沙さんに話を聞きました。
(取材・文:竹中玲央奈)
お話を聞かせてくれたIMGアカデミーの藤村有沙さん(後ろの写真はアメリカのIMGアカデミーの施設)
サカイクキャンプで導入している
ライフスキルの詳細はこちら>>
■競技レベルを高めるためには人間性が大事
「『テニスの学校、プロを出すための学校でしょう?』と言われますが、あくまでも私立の中高一貫校です。」
藤村さんが語るように、日本ではテニスをはじめとした"アスリート養成学校"のような立ち位置だと考えられています。ですが、実際はそうではありません。
競技レベルを高めるため、単なるトップアスリートを育てることではなく、人間性や社会性を含めて"競技外"でのスキルを高めることも大きな目的。競技ではもちろん、その前提として社会において一目置かれるための人材育成をする場所、と表現することもできるでしょう。
■競技スキルや身体づくりだけでなく、社会で活躍するリーダーシップも学ぶ
そういった考えのもと、IMGアカデミーが持つ独自の教育プログラムが「Athletic and Personal Development(APD)」