スポーツで成功しなくても良い? IMGアカデミーに留学した子どもが得られるモノ
「IMGアカデミーでは文武両道が当たり前という考えがあり、通っている生徒のことをStudent Athleteと呼んでいます。アスリートだけでもなく、生徒だけでもないですよ、と。」
50カ国以上から1200人が集まり、スポーツのスキルだけでなく社会を構成する1人の人間としての教育に取り組むアメリカのIMGアカデミー。前編ではベースとなる教育プログラムで教えられる内容について紹介しました。
後編である本稿では、実際に留学した学生の変化などを紹介。この組織で得られる経験や価値について、前編に引き続きIMGアカデミーの長期留学アドバイザー・藤村有沙さんにお話を聞きます。
(取材・文:竹中玲央奈)
(写真はサッカー少年のイメージ)
サカイクキャンプで導入している
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■学業に厳しいのは"生徒の可能性を広げる"ため
IMGアカデミーでは学校での授業の出席状況や成績が、スポーツ活動にも影響を及ぼします。前編でも紹介したように、授業の無断欠席は現場のコーチにも話が通じ「『あなたは今日学校に来なかったので、トレーニングはでられませんよ』と通達される生徒もいる」(藤村さん)とのこと。
しかし、授業に"出ている"だけ良いということではありません。「試験で平均以上を取れないと、スポーツでの活動に参加できなくなります。期間は次に平均以上の点数を取るまで。IMGアカデミーでは『勉強をして当たり前』という考えがあります。なぜかと言うと、全ての生徒の可能性を広げるためです。40年間、この姿勢で取り組んでいるんです」
■授業に遅刻しても先生に注意されることはない
一方、興味深いのが授業に出ることを"強制"することがないという点です。
「例えば、寝坊をして授業に間に合わなくても先生から連絡がくることはありません。全ては自分の責任です。
日本のように親や先生にリマインドされることはないんです。『休めばスポーツが出来なくなって、授業の成績も悪くなる。それはあなたが選んだことで、あなたの責任だからね』と。そういうスタンスでもあります」
■進路相談や目標から逆算した取り組みの提示などサポートが充実
「1200名の生徒に対して、生徒をあらゆる面からサポートするスタッフが900名ほど在籍しています。