ビルドアップで数的優位を作って相手を突破! マンCやバルサ、川崎フロンターレも重視するビルドアップで「+1」を作る方法
最近よく耳にする「ポジショナルプレー」ってなに?そんな人に「入門編」としておすすめなのが3月に発売された『こどもポジショナルプレー~ボールを追うサッカーから、ボールを追いかけるサッカーへ~』です。
ポジショナルプレーをわかりやすい表現で解説するとともに、ポジショナルプレーが身につく練習メニューも紹介。
本書にポジショナルプレーの達人として登場する中村憲剛さんも「これからはポジショナルプレーを標準装備する時代」とおすすめしています。
本書の中から今回はポジショナルプレーを意識した「『+1』のビルドアップ」の解説と練習メニューを紹介します。
<<ポジショナルプレーの鍵となる「中間ポジション」の位置と役割
■「『+1』のビルドアップ」って何?
数的優位をつくるためのビルドアップのしかた
マンチェスター・シティやチェルシー、バルセロナ。日本でいえば川崎フロンターレや横浜F・マリノス。近年、世界各国で優勝を争うチームの多くがビルドアップを重視し、ポジショナルプレーに取り組んでいます。その理由はたくさんありますが、きっかけのひとつにはルールの変更がありました。
2019年にルール変更があり、ゴールキックの際に攻撃側のフィールドプレーヤーが自陣のペナルティーエリア内でボールを受けることができるようになりました。すると以前のように大きく前線に蹴らずに、自陣から短いパスをつなぐチームが増えました。
最初にペナルティーエリア内で受ければ、相手はペナルティーエリアの外にいるため、プレスをかけられずに試合を再開することができます。そこでポジショナルプレーを有効に使えば相手を崩していくことができるからです。
前線からボールを奪いにくる相手に対して、どうやってビルドアップをしていくのか。そのひとつのアイディアが数的優位の「+1」を作ることです。
相手が1トップでプレッシャーをかけてくる場合は、2人でビルドアップを始める。相手が2トップなら、3人でビルドアップを始めるという具合です。
これも相手を困らせるポジショナルプレーのひとつと言えます。
■「+1のビルドアップ」トレーニングメニュー
ポジショナルプレーの眼
【ねらい】
ポジショナルプレーで、「意図的に」突破する
【準備】
1.15m×40(25+15)mのグリッドを作る
2.攻撃側4人と守備側3人を図のように配置する
【ルール】
1.エリア外の2人からスタート
2.エリア外の2人はパス交換しながら、エリア1の守備者2人と味方1人の動きを見てパスを入れる
3.パスがつながったところで、エリア外にいた2人もエリア1に入り、攻撃側3人vs守備側2人の数的優位を作る
4.同様にエリア2で待つ味方へパスをつないでから移動し、エリア2で4vs3(守備側2人もエリア2へ)