守備時のフィジカルコンタクトを怖がったり、ポジショニングを理解してない小6年代に守備の目的と原則を教える方法は?
どう守るかを教えるよりも、「どれだけ真剣に守るか」ということに私は一番こだわっています。
■代表やJリーグでもボールにアタックするプレーが足りない
小学生くらいだと、人とぶつかる、つまりコンタクトするのを怖がります。ところが、小学生の試合を見ていると、子どもたちが「体をおさえろ!」と仲間に声をかけています。守る際に、相手とボールの間に自分の身体を入れようとするのです。
私はどうするかといえば、子どもたちに「ボールを取りなさい」と言います。体を当てに行くのではなく、ボールに足を出すよう促します。日本代表やJリーグの試合を見ていると、ボールにアタックするプレーが日本に足らないと感じています。
海外の指導者たちも「日本人はどうしてあそこで止まるの?」と不思議そうです。
あんなに距離を空けてしまったら、相手にパスを出されてしまうよというわけです。
■選手たちがボールを奪う二歩手前で止まってしまうワケ
とはいえ、強度(インテンシティ)の高い守備は、日本では各年代に求められていて、コーチたちは「アプローチ!」と声をかけています。しかし、二歩くらい手前で止まってしまうことが多いようです。
それはなぜか。指導者が「体を当てに行け」と伝えているからではないでしょうか。上述したように、そういったプレーが頻繁にみられます。相手と押し合っては「負けるな!」とコーチが声をかけています。体をぶつけにいくと、かわされて抜かれることも増えます。
一方で海外の選手は、ボールを取りに足を出したけれど、体がぶつかりファウルをとられることもあります。海外リーグの試合を観ていると、ディフェンスが激しくアプローチに行った結果、相手の足を踏んでファウルをとられることがよくあります。でも、日本の選手は相手の足を踏むことがありません。なぜなら、ボールを激しく奪いにいってないからです。
前述したように、小学生には「ボールを取りに足を出してごらん」とアドバイスします。体を当てに行くのではなく、ボールを目掛けて走ってもらいたいのです。
■試合のときは「ボールを取りに行こう」と声をかける
ご相談者様は6年生を指導されているので、子どもたちに試合の際「ボールを取りにいこう」と声掛けしてください。そのうえで、より強く「勝ち負け」を意識させましょう。
「絶対に点を取られない」
「絶対勝つんだ!」
そんなふうに訴えます。