「結果ではなく、過程が大切」ドイツのサッカーママが実体験を通して語る、子どもが成長する仕組み
ご家族の都合で7年前に渡独し、ドイツでサッカーママをしているNさんのインタビュー第二弾。
息子さんは地域のクラブを経て、現在はプロクラブの育成アカデミーに所属しています。希有な経験で感じたことを伝えたいと、ドイツと日本との違いを率直に語ってくださいました。
サッカー王国、ドイツの育成から親ができることを考えます。
(取材・文:前田陽子)
写真は少年サッカーのイメージです
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■ドイツの子は良いプレーをしたとき親の方を見る、日本の子はミスしたときも親を見る
「息子はドイツに来てはじめは地域のクラブに所属しました。そこで出会ったトレーナーが、ドイツサッカー協会の指導者を兼ねてる方でした。
私たちにとってこの出会いがとてもラッキーで、彼からたくさんのことを学びました。彼は絶対に子どもを怒鳴らず、プレーと意思を尊重します。
練習中『もうやらない!』とへそを曲げた子どもにも『落ち着くまで待つから、それでもプレーしたくなければやらなくていいよ』と声をかけるのです。プレーをするのもしないのも子どもに自分で決めさせ、決して無理強いはしません。自ら決めるのを待つ姿勢で接していました」
「彼の言葉で印象に残っているのが、特に12歳くらいまでは子どもからプレッシャーを取り除くことが大事、ということ。過度なプレッシャーがある状態では、いいプレーができるはずもなく、何より楽しむことができないからと。それ以来、今まで以上にサッカーを楽しむことが大事なんだと親子共に思えるようになりました」
そのように、日本との違いを感じながらお子さんのサッカーを見ていた頃に、ドイツの子どもたちはいいプレーをすると「僕よくやったでしょ!褒めて!」と言わんばかりに親の方を見るけれど、日本の子どもたちが親の方を見るのは、いいプレーの時だけでなくミスをした時にも親の方をみて顔色をうかがうように感じたと教えてくれました。
「ゴールを決めたときやいいプレーをしたとき、満面の笑みで親の方を見る子どもの姿は何とも愛おしいです。が、以前息子がこちらを見たのはミスをしたときが多かった気がします。他にも私たちのことを気にする場面が度々あったように感じたんです。
つまり、私たち親がいることで、子どもがサッカーに集中できなくなっている。