数的優位を作る指導のコツ、どこを見て、何が見えていればいいのか理解させる教え方はある?
味方はどこにいるほうがいい?どんなときにパスは成功する?パスを出すタイミングはいつでしょう?ここを一緒に考えてあげるのです。
どんなときに成功したか。それを順番に分解し、みつける時間をあげましょう。
■プレー中にどこでどんなことを考えるか、を伝える
4つめは、「どう考えるか」を伝えること。
先日、私がアドバイザーを務めている小学5年生の試合を観に行きました。終わった後、話をする場を与えられたので「試合中は、何を考えていましたか?」と尋ねました。すると、子どもたちは「う~ん」と首をひねるばかりで何も出てきませんでした。
指導者の皆さんは、子どもたちに「考えろ」と伝えています。
が、プレー中にどこで、どんなことを考えるのか?何を見て、どう考えるか?を伝えているでしょうか。
例えばコーチは「状況を見ろ」と言うけれど、その状況をどんなふうに理解するか?そのときに数的優位になっているのかどうかなど気づけるよう育てる必要があります。具体的なものの見方、考え方を整理せずに、ただ「考えろ」と言ってはいませんか。
そのようなことを子どもたちが理解しやすくするために、ドイツは3対3のフニーニョを推奨しています。相手も見方も3人ずつなので、見るものが少なくてすみます。そのなかでどう考えるか。それを積み重ねていけば、理解が深まります。
ところが、日本は小学1年生から8人制をやっています。
10年ちょっと前までは11人制でした。都道府県協会の方のなかには「でも、サッカーは11人制だろ」とおっしゃって、いくら説明してもなかなか移行が進まない。そんな時期もありました。
ドイツが推奨するフニーニョとは......
■練習はうまくできなくてもいい、ととらえること
5つ目は「練習はうまくできなくてもいい。簡単なほうに戻ってもいい」ととらえること。
育成を担当する皆さんは、練習が上手くできないといけないと思い過ぎるのではないでしょうか。子どもたちは、頭の中で想像して、体で表現します。その順番を分解してあげて経験させていかなければ「頭ではわかっているけれど体が動かない」という状況になってしまいます。
そして、そんな状況が続くならば、上述したように「簡単なほうに戻る」ことをやってください。3歩進んで2歩下がるようなことになりますが、それでも一歩前進しています。
そのくらいの気持ちでゆったりとみてあげましょう。