数的優位を作る指導のコツ、どこを見て、何が見えていればいいのか理解させる教え方はある?
急がず慌てず丁寧に指導することを心がけてください。
■練習でやったことを試合の中で使う、ということを意識させる
6つ目は、試合で使うことを意識させること。
練習でできても、試合のなかで使えないと意味がないことを子どもたちと共有してください。
例えば、ミニゲームをして2対1の状況を作るため「ワンツーを使おう」と働きかけます。例えば、「ワンツーをどこかで使わないと、シュートが決まっても得点にしない」といったルールにします。
ワンツーからシュートでもいいし、その前の段階でどこでやってもいいことにします。相手のプレッシャーから逃げるためのワンツー。ゴール前でフリーになるためのワンツー。
何でもいいです。
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■どうして成功したか、どんな時に成功したか、を認知させる
(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)
7つ目は「どうして成功したか」を認知させること。
どんなときに成功するか。そういう状況やタイミングがあります。それを子どもたちに伝えましょう。なんだか知らないあいだに成功している。それが子どもです。
そこで、「どうして成功したんだと思う?」と問いかけながら認知させることが重要です。
オシムさんのインタビューの映像を見返すと、こんなことを言っています。
「私は、サッカー小学校の教師のつもりでやっている。小学生の判断がいつも正しいわけではない。だから伝えてあげなくてはいけない」
オシムさんも選手(子ども)たちの成功を、ちゃんと解説してあげていました。
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池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。
幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
ゴールキックが奪われ失点に......。ビルドアップのときのポジションや周りを確かめる動きをどう身に着けさせればいい?