技術はあるが判断と考える力が......。スペイン人指導者が語る、日本サッカーの良さと海外に比べて足りない力
最近は男子だけでなく女子のフットボールも盛んに取り上げられるようになりました。こういうふうに選手たちの母数を増やすことで、さらに指導者の質も上がる。この質と量、これがうまく重なり合った結果、最近は育成が良くなっているのだと思います。
――今日のクリニックも女子が2人ぐらいいましたが、スペイン国内では男女一緒にプレーするのですか?
ダビッドまず、13歳までは選手が選べます。例えば男子のチームと混ざる場合と、女子だけのチームというのももちろんあるのでそこでプレーする場合があって、13歳までは選手がいずれか選ぶという形ですね。リーグ戦も男女一緒のことも小さい年代ではあります。今はチーム数も女子選手の数も多くなってきているので、女子だけのリーグというのもありますね。
■フランスでは個人戦術から集団戦術、スペインは幼少期から集団戦術を学ぶ
――パリ・サンジェルマンでも仕事をされたということで、フランスとスペインの育成の事情はどういう違いがありますか?
ダビッドおっしゃる通り違いはすごくありますね。
2つの国は隣接する近い国ですが、やはりサッカーは全然違います。フランスのサッカー文化というところでは、より自由が与えられているかなと思います。
サッカーの個人技術、個人戦術、それから集団での戦術というところが混ざった上での自由さがフランスの選手たちの成長を手助けしているのかなと思います。
フランスでは、例えば13歳でそのクラブでプレーをし始めると、13、14、15、16歳と一定の期間、同じクラブで育つという文化です。
一方、スペインだと例えば12歳以下とかの本当に小さい子が幼い頃から集団での戦術というのを学んでいくので、やはりそのスペインの子どもたちにはチームとしてどういうふうにプレーしたらいいかが身についています。
このようにかなり違いがあるのですが、それでもスペインとフランスの両方の国はかなりのポテンシャルを持っているかなと思っています。今回のクリニックのテーマでもある「認知」を高めるエコノメソッドキャンプがこの夏開催されます。
ゲーム中心の実戦形式のメニューで、オフザボール、ディフェンスなどテーマごとに正しいプレー判断を徹底指導、トレーニングを撮影し、参加選手のプレーを解説する分析型座学"スマートフィールダー"を実施するなど、サッカーへの理解が深まるキャンプですので、ご興味のある方は詳細をご覧ください。